これは「ノーシーボ効果」によるものと推測できます。
「ノーシーボ効果」とは思い込みによって身体に悪い影響が出てしまうことです。
思い込みによって良い影響を得る「プラシーボ効果」は有名ですが、その逆の意味です。
がんではない患者が、がんと誤診されたことで本当に具合が悪くなり死んでしまったという例もあります。
映画では殺された経験が、ある種の強い思い込みとして身体に影響を与えていると考えることができます。
カーターの部屋に貼られたステッカーの意味
今日は、残りの人生の最初の日
引用:ハッピー・デス・デイ/配給会社:ユニバーサル・ピクチャーズ
ツリーがタイムループから目覚めるのは決まってカーターの部屋です。
その部屋のドアに貼られたステッカーに描かれているのが上記の言葉です。
物語が進むにつれ、この言葉の持つ意味合いが変わっていきます。
ツリーの死を暗示させる
主人公のツリーは殺人のループから抜け出せずにいました。
したがってステッカーの言葉が、「残りの人生の最初の日=殺される日」というネガティブな意味をもつと考えられます。
映画の中でもループのたびに目にするこの言葉について嫌いであるとツリーが言及するシーンがあります。
生まれ変わった新しい人生
真犯人に打ち勝ち、誕生日の翌日を無事カーターの部屋で迎えたツリー。
殺人ループの中、ツリーは自分勝手でビッチな自分を悔い改めて成長していきました。
したがってステッカーの言葉が「残りの人生=生まれ変わった新しい人生」というポジティブな意味に変化していると考察できます。
タイムループ作品からの影響
『ハッピー・デス・デイ』はタイムループ映画をホラーにうまく落とし込んだ作品として好評を博しています。
本編が始まる前のユニバーサルのロゴが出る演出をタイムループしたかのように見せるこだわりに驚いた人も多いでしょう。
また、監督のクリストファー・ランドンは『パラノーマル・アクティビティ』シリーズの製作にも携わっています。
したがってホラー映画としてのクオリティの高さは納得できます。
ではタイムループ映画としてはどのような作品からの影響がみられるでしょうか?
恋はデジャ・ヴ
映画の中でカーターも挙げていたのがこの『恋はデジャ・ヴ』です。
ツリーが時計台で首を吊るため飛び降りるシーンやトラックに轢かれるシーンはまさしくこの作品へのオマージュと考えられます。
また、自分勝手で横柄な主人公がタイムループによって改心していくという点が共通しているといえます。
時をかける少女
時をかけるビッチに明日は来るのぉぉぉ?
引用:ハッピー・デス・デイ ポスター/配給会社:東宝東和
本作の日本版ポスターに記されているフレーズからも、影響を与えていることがわかるのが『時をかける少女』です。