この三人に共通するのは「責任感」がまるでなく、今さえ楽しく生きられればそれでいいという好き勝手さでした。
子供や家庭を持ったから必ずしも立派な親になるわけではなく、やはり一人一人の意識がないと出来ません。
まず家族という「組織」の前に「個人」の人間力、人格がしっかりしていないと成り立たないのです。
他者への思いやり
そしてまたフーヴァー一家に欠けていたのは他者への思いやりでした。
カリフォルニアを目指そうにもそのようなお金はないから黄色いオンボロバスで行くしかありません。
しかし、オンボロバスにでの旅も決して楽な道のりではなく、突然の故障や燃料不足などが起こります。
その中で初めて一家は自分達のことばかり考えていてはこの試練に乗り越えられないことを知るのです。
つまりこの道中で初めて一家は他者への思いやりの尊さを知るに至ります。
フーヴァー一家はこの時初めて真の家族になる覚悟と決意を固めたのでしょう。
美女コンテスト
そんな一家の悲喜交々を経たクライマックスであるの美女コンテスト、いよいよ本題です。
様々な困難を乗り越え、やっとこさ辿り着けたオリーヴは予想だにしないパフォーマンスを見せつけます。
オリーヴは果たしてどのような結末を迎えたのでしょうか?
ステージに上がった真意
美女コンテストに出場することになったオリーヴですが、出場前から一家には結果が見えていました。
中にはレベルが違い過ぎるから出場しない方がいいと反対する者すら居たほどです。
確かに、オリーヴは容姿も太っていてダンスなどのパフォーマンスの準備も全くしていません。
彼女がステージに立ったのはこのコンテスト自体がフーヴァー一家の「団結」の象徴であったからです。
オリーヴは決して自分一人の力で来たわけじゃなく、家族の支えと団結があって初めて実現しました。
だからオリーヴにとってコンテスト出場は「勝つため」ではなく「家族との約束」という意義があったのです。
周りの目よりも自分の個性
オリーヴの断固たる決意は何よりもパフォーマンスとなって表れ、亡き祖父に教えられたダンスを披露します。
それは美女コンテストで求められる上品で優雅なものではなく、どこまでも荒々しく下品でした。
当然観客並びに審査員からは非難囂々でしたが、ここで大事なのはあくまでも自分の個性を尊重した点です。
オリーヴは決してコンテストの趣旨を理解していなかったわけでも、舐めていたわけでもありません。
しかし、彼女には観客や審査員といった周囲の目よりも家庭で培ってきた自身の個性こそが大事だったのです。
決して開き直りでも諦めでもなく、自らの信念・誇りを選んだことにこそ彼女のパフォーマンスの意味があります。
出場禁止になったオリーヴ
オリーヴは結果入賞はならなかったどころか、何と出禁にまでなってしまいました。
しかし、彼女及び家族はそれでも全く傷ついておらず、笑顔でいたのです。