まずはオダギリ・ジョー演じる田口哲也ですが、彼はどのように完治したのでしょうか?
持続性勃起症
田口の抱える症状は何と局部が大きく膨らんだまま、元に戻らなくなったというものです。
勿論現実にこの症状は存在しますが、最悪の場合この症状が原因で勃起不全になることもあります。
なので、田口のかかった病気は下手すると日常生活に支障が出てしまうレベルの危険症状でした。
しかし、本当の原因は元々田口の気弱な性格にあり、何でも内側にため込んでしまっていたからです。
そして伊良部はこの治療が難しい病気をとんでもない方法で治してしまいます。
違法スレスレのショック療法
持続性勃起症の治療法、それは何と研修医に田口の男性器を見せて羞恥心を刺激させるショック療法でした。
その末に警察沙汰にまで発展しているのですから、伊良部は名誉毀損などで訴えられてもおかしくありません。
勿論伊良部としては単に田口の病気の原因を取り除きたかっただけなのですが、他にもやりようはあった筈です。
が、手術や薬を使わないで治療しようとなるとこういうやり方しかないのかもしれません。
自己主張の出来ない現代人
田口という人間はこの当時問題となっていた自己主張の出来ない現代人の象徴だといえるでしょう。
妻の浮気が原因で離婚したのを内側で押さえて、伊良部に煽られても会社まで行くことすら出来ません。
そしてそういう人に共通しているのはいずれもが責任感が強く真面目な人であるということです。
日本人は特に寡黙さ・謙虚さが美徳とされがちですからそれが悪い方向に行くとこうなります。
ずっと勃起していた男性器はそんな彼の心の叫びが形になったのではないでしょうか。
涼美のケース
次は涼美のケースを考察していきましょう。彼女も彼女でまた特殊な病気にかかっていました。
そこから見えてくるものは一体何なのでしょうか?
強迫性障害
涼美がかかっていたのは強迫性障害の確認行為に該当するもので、あらゆる行為を確認していました。
いわゆるPTSDに近いもので、大体は過去にあったある出来事がトラウマになっています。
涼美の場合は兎に角冷蔵庫の扉を閉じてくれといわれた時のことが原因でした。
涼美はその意味で「失敗を恐れる日本人」の象徴なのではないでしょうか。
日本人は物事を行う際何でも先々まで考えすぎて自分の精神に蓋をしてしまう傾向があります。