出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B0779TJNM2/cinema-notes-22
「セトウツミ」は2016年7月2日に公開された大森立嗣監督の映画です。原作は此元和津也のマンガで、別冊少年チャンピオンで連載されました。
内容は男子高校生の瀬戸と内海が放課後に川辺で漫才のように話すという、ただそれだけの映画です。
ですが、この映画にはそこはかとなく悲しい雰囲気が流れています。それはなぜでしょうか。
今回は彼らを取り巻く環境から、彼らがなぜ川辺に集まるのかを考察していきたいと思います。
二人の関係が始まったきっかけはなに?
この映画のほとんどのシーンは川辺で瀬戸と内海が駄弁ることで話が進んでいきます。
そのため、二人がこのような関係になった理由は誰しも気になるのではないでしょうか。
しかし、映画の中では瀬戸も内海も川辺に来るようになったはっきりとした理由は語りません。
では、なぜこの二人は放課後一緒にいるようになったのでしょうか。そしてなぜそれは川辺でなくてはいけなかったのでしょうか。
実はその理由には二人の家庭環境と恋愛が関係しています。
瀬戸が内海に話しかけたのはなぜ?
二人が一緒にいるようになったきっかけは瀬戸が川辺に座る内海に話しかけたからです。
その時の第一声は
誰やねんお前!
引用:セトウツミ/ 配給会社:ブロードメディア・スタジオ
というあまりに一方的なものでした。
瀬戸はガラも頭も悪い男です。ですが、初対面の人に向かっていきなりそんな声のかけ方をするほど馬鹿とは思えません。
彼がいきなり内海に声をかけたのは彼なりの戦略と嫉妬があったのではないでしょうか。
内海への嫉妬から話しかけた?
瀬戸が内海に話しかけた時、いきなりケンカ腰でした。
なぜ彼は内海に対してこんな態度を取ったのか。考えられる原因として内海への嫉妬があります。
瀬戸は同級生の樫村に恋をしていました。ですがほとんど相手にされていません。
映画の序盤で樫村のメールアドレスを聞き出したことを自慢しているので、始めて内海に話しかけた時には本当に接点が無かったのでしょう。
そんな時、川辺で樫村と内海が話している場面を目撃し、樫村が去ってから二人の関係を確認するために話しかけたのではないでしょうか。
そう考えれば、いきなりケンカ腰だったことも、嫉妬に駆られての行為と納得が行きます。
実際、二人の出会いを描いた第0話では内海と樫村が川辺で話している後ろをサッカー部のメンバーと一緒に走る瀬戸の姿がありました。
おそらく、この時に樫村と瀬戸の姿を見ていたのでしょう。
その後も関係を続けたのは恋の戦略?
瀬戸が内海に話しかけた理由は嫉妬からだと考えられますが、なぜ彼はその後も関係を続けたのでしょうか。
その理由は頭の悪い瀬戸なりの恋の戦略だったと考えられます。
先ほど説明した通り、瀬戸は樫村と全く接点がありません。
しかし、内海は樫村とかなり前から知り合いです。それは彼の家が樫村の寺の檀家であることからわかります。