出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/B00G883442/?tag=cinema-notes-22

5年間の刑務所生活から解放されたビリーが、偶然居合わせたレイラを拉致するところから始まる映画「バッファロー’66」。

親についた嘘を隠し通すためという、なんとも子供じみた出会いなのに二人の運命が動き出してしまいます。

親子の関係と復讐と恋愛というチグハグなジャンルを同時に扱いながらも、最後には観る人の心を優しく包み込んでくれるストーリー。

コアなファンから未だに熱い支持を受けているのです。

今回はそんな「バッファロー’66」で、グーンに電話をかけた真意・スコットを見て気付いた感情・レイラとの未来について考察します。

親の愛情不足

affection, beach, parents 母親はアメフトに夢中で父親も癇癪もちというネグレクト家族。

最悪な人生だと思っていたビリーですが、それは彼が悪いのではなく両親に問題があるのです。

愛情不足の弊害

子供が両親に愛情を求めるのは当然です。他人からなんと言われようと、最大の愛を子供に注ぐのが親というもの。

しかし世の中には子供を邪魔にしか思っていない親もいます。

そんな親に育てられると自己肯定感が育たず、何に対してもマイナスに考えてしまう傾向があるのです。

何をやっても上手くいかない・自信が持てない・人生お先真っ暗。そんな考えしかできなくなります。

それはまさにビリーの状態といえるでしょう。

親に認めて欲しい

出所したビリーが両親に電話をかけた際、大嘘をついていました。

政府の仕事だの結婚しただの、親だったらまず嘘だと見抜けるでしょう。しかしビリーに興味がないせいか、両親は騙されます。

あるいは昔からビリーはこのような嘘を両親についていた可能性もあるかもしれません。

両親の気を引きたくて、ある事ない事必死で口に出していたのではないでしょうか。

ですがそんな息子の必死さにも気がつかず、受け流してきたのだと思われます。

とにかく認めて欲しいという承認欲求が大人になった今でもビリーを支配していたのです。

ビリーの決意

suicide, despair, no output スコット殺害後、自分も死のうと思っていたビリー。そんな気持ちで両親に会いに行ったのです。

こんな時くらい両親がビリーに優しくしてくれたら、彼はここでスコット殺害を断念したはず。ビリーはどんな想いで両親に会ったのでしょうか。

もうこれで両親の顔も見れなくなるという悲しみの中にいたかもしれません。

あるいは一度でいいから自分に振り向いて欲しいと思うささやかな希望を持っていたとも考えられます。

どちらにせよ両親はビリーを止められませんでした。親とは名ばかりで、息子の一大事にも気づかない両親。

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