デイルと出会う前、アリソンは仲間内でのリーダー格であるチャドに言い寄られます。
自分とアリソンは他と少し違うというチャドにアリソンはなびきません。
アリソンには他人に対する差別の気持ちや、優越感がない。
他の仲間が偏見だけで行動して次々自滅していく姿とは対照的です。
この物事を平等に見る姿勢がデイルとの恋を実らせます。
自己肯定感を高めるデイル
映画の中でデイルは成長します。デイルは何故成長できたのでしょうか。
大切な親友・タッカー
デイルの子どもの頃からの親友・タッカー。
自己肯定感が低いデイルをタッカーは励まし続けます。
人生は短いんだ 自分の力で切り開け
引用:タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら/配給:アース・スターエンターテインメント
自己肯定感が低く、否定的な言葉をよく使う人と一緒にいると疲れる経験がないでしょうか。
デイルもそんな人間ですが、タッカーはデイルの隠された才能や良い面に気づいているので決してデイルを見捨てない。
タッカーがいなければデイルはアリソン救出を諦めていました。
二人の恋が進展したのはタッカーの影のアシストのお陰でもあります。
危機の中で目覚める勇気
自分に否定的なことばかり口にするデイルですが、次々襲ってくるチャドたちの攻撃を防ぐ中で勇気に目覚めてきます。
元々、誤って湖に落ちたアリソンを助けるために自ら水に潜るなどデイルは勇気がありました。
タッカーが捉えられた時も一人で救出に行くなど、デイルが勇気を持っている様子は繰り返し描写されます。
勇気を試される一つ一つの試練を乗り越え自己肯定感を高めていく。
それがラストのアリソン救出で最大限に発揮され彼女の心を掴みます。
物語の適役チャド
本作の悪役チャド。彼はどんな人物だったのでしょうか。
チャドが持つ優越感
狂気にとりつかれていく悪役チャド。
彼は他人に対して強い優越感を持っています。
最初は抑えられていた優越感もアリソンがデイルたちにさらわれたと誤解した辺りから徐々に噴き出してきました。
逃げようとする仲間ですら臆病者と呼ぶチャド。
一見すると強いリーダーシップを持つように見えますが、実はただの独りよがりで自己中心的な人物であることが分かります。
鏡写しのデイルとチャド
デイルとチャド。
この二人はアリソンを挟んで鏡写しのように正反対です。
自己肯定感が低いながら優しく、アリソンとの交流で自分を認めていくデイル。
強い自尊心を持ち、アリソン救出の過程で徐々に自分を見失い壊れていくチャド。
圧倒的に有利だったチャドが悲惨な結末になったのは皮肉にも彼の抱えた怒りです。
チャドの本当の怒りとは
チャドが自分を見失うほど支配された怒りの感情。なぜあれほど怒ったのでしょうか。
人生を滅茶苦茶にされた恨みと愛情の不足
チャドの両親はキャンプ場で起こった悲劇で人生を滅茶苦茶にされました。