出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00K735XSY/?tag=cinema-notes-22

「サウンド・オブ・サイレンス」はアンドリュー・クラヴァンの「秘密の友人」原作の映画です。

ある医師が娘を人質に取られ精神疾患を装った少女と犯罪組織へ立ち向かう様を描いています。

同タイトルの曲名をサイモン&ガーファンクルが手がけていますが、全くの無関係です。

見所はネイサンとエリザベスの演技合戦による掛け合いで、最後まで飽きさせません。

本稿ではエリザベスがネイサンに「狙いは奴等と同じ」と発言した真意をしっかり掘り下げていきます。

そしてまたネイサンが携帯電話を捨てた理由等々本編の謎について見ていきましょう。

エリザベス、その人となり

「サウンド・オブ・サイレンス」の中でも鍵を握りキーパーソンであるエリザベス。

一癖も二癖もあるこの少女は果たして一体何を内側に隠し持っているのでしょうか?

猜疑心の強さ

猜疑心

エリザベスの第一印象として目立つのはその頑ななまでの猜疑心の強さでした。

ネイサンがどれだけ丁寧に面談をしても彼女の心は強く閉ざされています。

勿論これにはある秘密を抱えていたことが背景にあるのですが、兎に角心を開きません。

とても精神疾患持ちだとは思えない程警戒心・猜疑心に満ちた非常にミステリアスな存在です。

発言の真意

身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法

狙いは奴等と同じ

引用:サウンド・オブ・サイレンス/配給会社:20世紀フォックス

とても意味深な発言をネイサンに残していくのですが、その真相は後半で明らかとなります。

何と、エリザベスは父が絡んだダイヤの強盗事件で失うというトラウマがあったのです。

恐らく彼女はその時の父を殺した犯人とネイサンが同一のカテゴリに属すると思ったのではないでしょうか。

ネイサンは金持ち専門の精神科医で仕事柄大金が動く人と接する機会も多かったことが推測されます。

幼きエリザベスからすれば自分を媒介にして金儲けを考えている人に映ったのかも知れません。

ネイサンに秘密を教えた理由

そこまで警戒心が強かったエリザベスが何故後半でネイサンに秘密を教えたのでしょうか?

決して娘を人質に取られても一切同情をしなかった彼女が…そのヒントは次の台詞にありました。

パパをいじめないで

引用:サウンド・オブ・サイレンス/配給会社:20世紀フォックス

エリザベスはどこかで父の喪失を誰かに受け止めて欲しかったのでしょう。

彼女はネイサンにどこか父の面影を重ねていた部分があったと推測されます。

精神疾患持ちを装っていてもあくまで10代の少女、まだ一人で立って歩ける強さはありません。

犯罪者の娘

そして何より、これが一番の衝撃ですがエリザベスの父はそもそも強盗犯だったのです。

自分の父親が犯罪者であったこともまた彼女にとっては凄く大きなリスクではないでしょうか。

こうして見ると彼女自身が一番戦っていたのは「父の罪」かもしれません。

下手すれば犯罪組織のみならず世間一般の扱いも酷くなることは十分考えられます。

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