オーガストは母親と対話するときにヘルメットを外します。
涙を流すオーガストの姿はようやくさらけ出せた彼本来の姿。
オーガストがヘルメットを被るのは、自分の顔を隠すため。
同時に自分の世界に閉じこもって外の世界を見ないようにするためです。
オーガストのヘルメットは彼と外界を隔てる壁ともいえます。
オーガストがいる世界
オーガストがいる世界には様々な人たちがいます。
彼らはどんな役割をもっていたのでしょうか。
オーガストが見ていた人たち
せっかく出来た友人・ジャックが自分の悪口を言っている所を目撃したオーガスト。
傷ついたオーガストは同じころ、サマーという女の子と仲良くなります。
最初はいぶかしみながらサマーを真摯な姿を見て受け入れる姿。
それは少しずつオーガストの姿勢が変化していることを表しています。
ジャックの悪口に傷ついたオーガストですが、自分を庇いジュリアンと喧嘩するジャックの姿を目撃。
オーガストはジャックの姿をよく見て受け入れようとしています。
それまで先入観で周囲を警戒していたオーガストも相手の行いを真正面から見ることで内面を変化させています。
オーガストを見つめる人たち
登校初日に母親・イザベルに泣きつくオーガスト。
その時に母親がしたことはただひたすら目の前のオーガストを信じることでした。
姉のオリヴィアは自分を封じ込めて生きていました。
しかし変わっていくオーガストの姿を見ることで自分も変わっていこうとします。
クラスメイトのジャックもサマーも、勉強ができて楽しいオーガストの本来の姿を知っていく。
このようにワンダーでは相手をそのまま見つめることがポイントになっています。
同時にそれは自分にしかないものを見つめることも表しています。
最後の台詞の意味
映画のラストでオーガストが語った言葉は何を意味しているのでしょうか。
みんなが輝きを持つ
心の中が除けたらみんなも普通じゃないと思う。
引用:ワンダー 君は太陽/配給会社:キノフィルムズ
ずっと差別を受けながら生きてきたオーガスト。
ですが、そもそも人間は皆違っている。
「普通」と「普通でない」ことは曖昧なものです。
それまで「外見」という違いで世界を見てきてオーガスト。
その彼が語るこの台詞は人間は外見の違いだけで判断されるものではない。
まして内面も皆異なっているのだからそれを受け入れて生きていくという気持ちが表れています。
オーガストが外見以上の人間の大切な部分に気が付いたのです。
相手を知るために
人をいたわれ。みんなも闘っている。相手を知りたかったらやることは一つ。よく見ること。
引用:ワンダー 君は太陽/配給会社:キノフィルムズ
ワンダーはオーガストの物語です。
同時に母や姉、ジャックや姉の友人・ミランダの物語です。
自分と一緒に登校してくれた家族。
いじめっ子のジュリアンを殴り辛い目にあったジャック。