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【バニラ・スカイ(ネタバレ)】デイヴィッドの夢が始まった瞬間を考察!精神科医は夢の一部?ラストの言葉の意味するものとは

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00009346T/cinema-notes-22

2001年公開の『バニラ・スカイ』は、トム・クルーズ主演のサスペンス映画です。

夢と現実が入り混じり、何度観ても難解であると大きな話題となりました。

そんな本作を徹底的に考察し、デイヴィッドの夢が始まった瞬間や登場する精神科医の存在を紐解いていきます。

最も話題を呼んだラストシーンの意味するものとは一体何なのでしょう。

デイヴィッドの夢が始まった瞬間

VANILLA SKY

本作は夢の中で、現実に起きたことの回想をするシーンからはじまります。

冒頭部分から何やらややこしい空気が流れているのです。

デイヴィッドにとっての現実

まずはデイヴィッドの現実の部分から見ていきましょう。

冒頭でデイヴィッドは誰もいないニューヨークの街を夢に見て、精神科医との下記の会話が入ります。

誰もいない通りは孤独を表している

陳腐な精神分析だ

引用:バニラ・スカイ/配給会社:パラマウント映画・UIP

精神科医と一緒のシーンはすでに彼の夢となっていますが、ここで彼が思い出している記憶は本物です。

本物の記憶を夢の中で精神科医に話しているという設定になっています。

そして、続く精神科医の話は観客をミスリードさせるものでしょう。

それより君はなぜここに?

引用:バニラ・スカイ/配給会社:パラマウント映画・UIP

この会話はデイヴィッドが夢を見ているという伏線になっているのです。

簡潔にまとめると、彼にとっての現実は下記ということになります。

  • ジュリアナと寝て朝を迎えた
  • ソフィアとパーティで出会った
  • ソフィアと出会った日彼女の部屋に行った
  • ジュリアナの車に乗って事故に遭った
  • 顔や腕を負傷し、ソフィアに会いにいき歩道で寝てしまった
  • 二日酔いのままひとりで起きて帰った
  • 会社は弁護士と一緒に取り返した
  • LEと契約し服毒自殺した

なお、下記の3つはLEによって記憶を消されています。

本作品で夢と現実の間がわかりにくくなっているのは、LEが上手く彼の記憶をつなげたからといえるでしょう。

デイヴィッドにとっての夢が始まった時

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デイヴィッドの夢が始まったのは、救護員が後に明かしたように酔って歩道で寝た後からはじまります。

ソフィアが彼を起こしに来てくれますが、あのシーンから全て彼が作り出した夢ということになるのです。

デイヴィッドはLEとの契約の際に「幸せな夢」というオプションを選んでいます。

だからソフィアは、彼が望んでいるセリフを彼に向けてくれたのでしょう。

また夢の中で彼の顔が治っているのも、このオプションのおかげなのです。

デイヴィッドの夢がなぜ悪夢になったのか

「幸せな夢」というオプションをつけながらも、なぜデイヴィッドの夢は悪夢に変わってしまったのでしょう。

それは彼の潜在意識によるものでした。

ジュリアナを軽く扱ったことへの罪悪感が強かったのでしょう。

ソフィアがジュリアナに見えてしまうのは夢の崩壊を意味しています。

問題は潜在意識だった

君の夢は悪夢に、だがその故障は直った

引用:バニラ・スカイ/配給会社:パラマウント映画・UIP

救護員はこの悪夢の説明を上記のようにしています。

LEにとっても潜在意識に邪魔されることは予想外であり、それを故障としたうえで修正したということです。

もし夢を見続けるなら、今後デイヴィッドは悪夢を見ることはなく幸せな夢に浸れると約束したのです。

精神科医はデイヴィッドの作り上げた理想の父親

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デイヴィッドは、夢の中で自分を支える存在としてソフィアを登場させますが、その他にもう一人の人物を登場させています。

それは自分を救う存在の精神科医。ソフィアたちと違う点は、彼はデイヴィッドが生み出した実在しない人物ということです。

昔見た映画が君の理想の父親像を創った

引用:バニラ・スカイ/配給会社:パラマウント映画・UIP

救護員は精神科医であるマッケイブについて上記のように語っていました。

この話を聞いたとき、デイヴィッドはLEについて半信半疑の状態で、それを象徴するのがマッケイブの下記のセリフです。

こいつらは危険だ
早く下に降りよう

引用:バニラ・スカイ/配給会社:パラマウント映画・UIP

マッケイブにこのセリフをいわせたのは、彼を作り上げているデイヴィッド自身なのです。

マッケイブのセリフの総てが、デイヴィッドの心の声と捉えることが出来ます。

デイヴィッドはマッケイブのような、側にいてくれる父親を潜在的に望んでいたのでしょう。

上手いミスリード

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本作を難解に感じさせているものは、制作者サイドの上手いミスリードによるものです。

デイヴィッドの錯乱が殺人を犯した

劇中の夢の中でデイヴィッドは錯乱します。

ソフィアがジュリアナに見え、事故の後遺症のような現象が繰り広げられます。

彼の精神錯乱が現実に犯罪を起こさせたのだと、観る者を上手くミスリードさせていくのです。

冒頭部分にいれられた下記の精神科医のセリフは、観客の視点をデイヴィッドの犯罪に向けるミスリードの役割をしています。

なぜ容疑者に?

引用:バニラ・スカイ/配給会社:パラマウント映画・UIP

観客はこのマッケイブのセリフに吸い込まれるように、なぜデイヴィッドが罪を犯したのかに関心を引き付けられるのです。

ソフィアと深い関係だったわけではない

劇中にはソフィアの登場シーンが多く、ソフィアと深い関係のような気がします。

しかし、冷静に観てみるとブライアンがパーティーに連れて来た夜しか彼女と会っていません。

その後デイヴィッドが彼女に会ったのは事故の後、踊りのスタジオに彼女を誘いに行ったときです。

夜のクラブでデイヴィッドは、一回しか会っていないといったソフィアに怒っています。

しかし1回しか会っていないのは本当のことなので、デイヴィッドは勝手に深い関係だと思い込んでいたことになります。

ソフィアにとっては、これから始まる恋という感じだったのかもしれません。

しかし事故後に訪れた彼は見た目も内面も変わっていて、実際の彼女は逃げ出していたのです。

ソフィアとは深い関係だという彼の思い込みも、観客をミスリードさせるきっかけでしょう。

彼とソフィアの関係を深いものと判断してしまえば、その後展開するデイヴィッドの夢も現実のように観えてしまうのです。

最後のセリフ「OPEN YOUR EYES 」

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ラストシーンは様々な考察がされている場所です。

最後にデイヴィッドが目覚める「OPEN YOUR EYES」は誰の声なのか……。

LE社のスタッフの声

Relax, David.

Open your eyes

引用:バニラ・スカイ/配給会社:パラマウント映画・UIP

現実社会ではジュリアナが目覚まし時計に入れていたセリフです。

150年後の今、彼を目覚めさせたのはLE社のスタッフではないかというのが有力でしょう。

大丈夫だから目を覚ましてという、スタッフからの声掛けに聞こえます。

ジュリアナの声の目覚まし時計?

同じ過ちを繰り返さないように、LE社の計らいでジュリアナの声が入ったそのままの目覚まし時計を置いていたという考えもあります。

現実を受け入れ生き返るという選択をしたデイヴィッドなので、現実の世界にあった目覚ましを残したのでしょう。

いずれにしても、このラストは観る者に先を委ねる形で終わっています。

OPEN YOUR EYESのメッセージ

現実の世界から逃げ夢の世界を生きてきたデイヴィッドに、再び現実を生きなさいと呼びかけています。

デイヴィッドは救護員によってブライアンやソフィア、そして弁護士トマス・ティップが自分を思っていたことを聞かされました。

自暴自棄になり、周りの愛に気が付かなかったデイヴィッドは心の目を開けて現実社会を生きていくことでしょう。

心を固く閉ざしていては、真実は見えてこないのです。

他人の態度は自分の心次第ということでしょうか。

デイヴィッドは生き返り何をした

世界の名画  モネ 散歩道、アルジャントゥイユ (La Promenade, Argenteuil)  ジークレー技法 高級ポスター (B4/257ミリ×364ミリ)

劇中にはタイトルにもなったクロード・モネの絵が登場しています。

デイヴィッドの部屋にあったのはLa Seine a Argenteuil(アルジャントゥイユのセーヌ川)です。※上記の画像とは異なります。

その絵の中にはバニラ色の空が広がっていましたが、それも伏線となっています。

バニラ色の澄んだ空は生まれ変わったデイヴィッドの未来を示しているようです。

生まれ変わった世界で彼は無一文、ハンサムな顔も崩れ全てゼロからのスタートです。

しかし彼はおそらく大好きな絵を描いて、駆け出していくのではないでしょうか。

原作はスペイン映画「OPEN YOUR EYES」

オープン・ユア・アイズ

本作は1997年に公開された「オープン ユア アイズ」というスペイン映画のリメイク版です。

ストーリー展開は同じですが細部は構成を変えてあります。

ソフィア役のペネロペが原作でもソフィアを演じており、ファンの間では二作品を観比べている人が多いようです。

タイトルは「バニラ・スカイ」と替えていますが、オープン ユア アイズのセリフは意味深なものとしてしっかり残してありました。

難解だからこそ面白い『バニラ・スカイ』

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何不自由ない富豪のデイヴィッドが、幸せとは何かを求めていく本作は何度も観返したくなる映画です。

難解な構成に加え、本当の幸せが何なのかという答えも尽きることがありません。

本当にいい映画とは、観終わった後に様々に考察出来る映画ではないでしょうか。