彼が信用しているのは幸田だけなのでしょう。

幸田と雨宮はずっとつながり続けていました。

おそらく幸田は時々雨宮の家を訪問しています。

それは三上が雨宮の家で幸田の名前の書かれたお供えを見たことでわかるのです。

そのお供えを三上が見たという布石は後編で回収されます。

祥月命日より約1か月早い時点でそれがあるということは、翔子ちゃんへのお参りではないのでしょう。

銘川亮次の話をした理由

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広報室と記者クラブの溝が決定的になるきっかけは交通事故です。

加害者の身元を隠すという警務部長の安直な指示が事態を大きくしていきます。

広報官三上義信の立場

三上が広報官となったいきさつは映画では描かれていませんが、原作によると昇格に伴う2年程度の異動のはずでした。

しかし三上は警務部長の望まない広報室の改革を推進し嫌われてしまいます。

三上にその力を封じ込められ理不尽な命令ばかりを出されても三上は逆らいません。

それは娘の失踪という弱みを握られているからです。

なぜ娘の失踪が弱みになるのかは、三上が親だからでしょう。

もし何かあった時に、警察官であることを最大限に使ってでも娘を助けたいと思っているからです。

しかし三上は公表に押し切ります。

広報官の地位を危うくしてまで踏み切った理由は何でしょうか。

ロクヨン事件との関連性

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三上は銘川にロクヨンを見たのです。

昭和天皇崩御という昭和の大ニュースにかき消され、その痛ましい事件は世間に広まることもないまま消えてなくなろうとしていました。

父親である雨宮は今も昭和64年の中を生きています。

そんな雨宮の苦悩も現状も誰にも知られず時効が迫っているのです。

あまりにも理不尽だと考えたのでしょう。

銘川は天涯孤独の独居老人であり、その死を知る人はあまりにも少ないのです。

死してなお孤独を強要されている銘川の悲しみと、救えなかった祥子ちゃんへの思いが重なったのでしょう。

それが爆発したシーンが仏壇前の号泣です。

記者クラブとの関係

刑事部長を更迭することが真の狙いだとしても、総監がロクヨン事件の視察に来ることは重大な意味を持ちます。

総監の記事が新聞に載ることは忘れ去られたロクヨン事件の記憶を呼び起こすことなのです。

新聞記事にしてもらうには記者クラブとの和解がどうしても必要でした。

記者たちの口調は強いですが、悪意はありません。

納得できないだけなのです。

それが三上には分っていました。

三上が実名公表に独断で踏み切ったのは記者との駆け引きではありません。

銘川の死を見ず知らずの人でも良いから『かわいそうに』と思ってもらいたいという気持ちからです。

彼もまた昭和64年を生き続けているのでした。

思惑と軋轢

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それぞれの思惑が軋轢を生み、県警内部の縄張り争いは苛烈を極めます。

警察の正義と記者の正義、立場が違うと正義の質も変わるようです。

広報室と記者クラブ

広報室は県警の窓となるべく奔走しています。

それは三上が広報官になって以降の改革によるものです。

実名隠し事件まではうまくいっていたと推察できるシーンが各所にありました。

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