それが爆発しドラッグの作用で『抑える』必要さえ感じなかったと思われます。
しかもここはラスベガス、今夜はバチェラパーティーです。
記憶が戻らない本当の理由
本作が『コメディー』というジャンルなのは疑いようがありません。
下品なエロネタが出てきても、笑ってストーリーを追いかけられるという事が『秀逸なコメディー』という証明です。
しかし他の角度から観ると、別のジャンルだとしても優れた映画だという事がわかります。
謎解きサスペンス
後述しますが、見事にちりばめられた『伏線』は観客の「何故だろう」「何が起こったのだろう」という興味を引きます。
これは『謎解きサスペンス』の構成として最も多く使われる手法です。
『謎解き』を最後まで飽きることなく観せていくということを『コメディー』でやってのけるのはなかなか至難の業でしょう。
多種多様な伏線
本作の醍醐味は様々な状況での『伏線』と思いもよらない『回収』です。
前半の謎を解き明かし、観客を納得させながら映画の世界にはまり込ませる手腕は見事でした。
この謎解きを最大限に魅せるためには『記憶が戻らない』というシチュエーションが必須となります。
記憶は無いが証拠はあるという面白さ。これこそが記憶が戻らなかった最大の理由なのです。
ダグ発見につながる様々な布石
一緒にいたことは確かなのにダグの情報は出てきませんでした。
実はこれも伏線です。
この映画は伏線で構成されているといっても過言ではありません。
彼らのすべての行動がダグ発見に繋がっていくのです。
天文台の見学料と祖母の指輪
一見何も関係がないものが重要な鍵になっています。
フィルが学校でネコババしたお金を元手にアランが8万ドルを稼ぎ、スチュが結婚したジェイドの協力で無事逃げることができたのです。
指輪はスチュがユダヤの真面目な血を引いているという意味であり、その真面目さが結婚式を挙げてしまうことに繋がります。
この結婚行動はスチュがメリッサと結婚したかったのではなく、ただ単に結婚という行為がしたかったことを示しています。
それがメリッサに抑圧されても結婚しようとしていた理由へと帰るのです。
ホテルのクローゼットの中にいた赤ん坊のタイラーもかわいい伏線でした。
常識的にはホテルに連絡して委ねるはずですが、アランが連れて行くといえば観客も納得してしまいます。
連れて行かなければジェイドとの再会は難しいですし、スチュとジェイドと結婚しなければバカ勝ちしたカジノからは逃げきれなかったでしょう。
パトカー窃盗とスタンガンの意味
ホテルの駐車場から出てきたパトカーはいろいろな繋がりをみせます。
警察でのスタンガンから始まり全裸のチャウ登場に繋がりました。
それが『8万ドル』に繋がって『黒いダグ』へと進展し、『白いダグ』を見つける糸口へと展開していくのです。
しかもパトカーを盗んだ行為をマイク・タイソンが気に入ってくれたことで3人は許してもらえました。
余談ですがマイク・タイソンは自身をディスるシーンも面白がっていたそうです。
なぜダグを見つけられたのか
ハチャメチャながらもそこかしこに感じるのが『友情』です。
物語が進むにつれてダグを探す3人に結束が生まれてきます。
黒いダグの一言
今までの布石を丁寧に回収しつつ、手に入れた8万ドルで引き取った『黒いダグ』の何気ない一言がダグを見つけるキーワードでした。