独りよがりな演奏でバンドをクビになったデューイもまた、バンドリーダー兼教師という役割を自分に与えることで自然と成長していたのです。
また生徒の才能を見抜き、伸ばしていくという教師としての仕事も自然とデューイはこなしていきます。
客がダイブを受け止めてくれた時のデューイの心境は?
バンドバトルでの演奏シーンにて曲のラストにデューイは客席に向かってダイブをしていきます。
この時のデューイの心境はどのようなものだったのでしょうか?
誰にも受け止めてもらえなかった最初のダイブ
映画の冒頭でデューイはステージからダイブするものの、誰にも受け止められず地面に叩きつけられました。
これは独りよがりな演奏をしてバンド内で孤立をしているデューイの状態を示唆していると考えられます。
また、職もなくバンドもクビになった状態へ落ちていくことも表しているのではないでしょうか。
みんなに受け入れられたデューイ
バンドバトルにてダイブしたデューイを、客は避けることなくしっかりと受け止めていました。
このシーンは孤立していたどん底の世界をロックを通じて変えたということを表していると考えられます。
また、生徒たちを含め周りの人との信頼関係を築くことができたデューイの状態を表しているともいえるでしょう。
よってデューイの心情は、生徒たちと作り上げたロックが受け入れられて世界を変えたという感動に包まれていると推測できます。
映画を盛り上げるROCKの名曲たちとロックバンドへのリスペクト
『スクール・オブ・ロック』において物語を盛り上げてくれるのがロックの名曲たちです。
劇中でBGMとして使用される以外にも、生徒たちとバンドで演奏する曲にもロックバンドの名曲が選ばれています。
ここでは代表的な2つのロックバンドを例に、その影響や劇中に登場した音楽について言及していきます。
AC/DC
本作において重要なバンドとして位置付けられているのが、オーストラリアのロックバンドであるAC/DCです。
劇中では生徒全員に役割を与える大事なシーンで「バック・イン・ブラック」という楽曲が使用されています。
さらにアンコールからエンドロールにバンドが演奏しているのも、AC/DCの「ロング・ウェイ・トゥ・ザ・トップ」という曲です。
またデューイのライブ本番の衣装、および使用しているギターはAC/DCのギタリスト、アンガス・ヤングへのオマージュと考察できます。
制服を意識した学生風の衣装、そしてSGと呼ばれる角のような特徴のギターはまさしくAC/DCへのリスペクトといえるでしょう。
レッド・ツェッペリン
映画の中で楽曲が効果的な使われ方をされているのがレッド・ツェッペリンの「移民の歌」です。