カーステレオから流れる曲に合わせてデューイが歌いかけ、にこやかに生徒たちが聞いているというシーン。
印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
このシーンはコンテスト出場が決まったことでデューイと生徒たちの心が一つになった瞬間と考察することができます。
楽曲使用の許可について厳しいとされているレッド・ツェッペリンが使用を許可したのは、こういった重要なシーンであるからでしょう。
また、「移民の歌」はプロレスの入場曲や戦いを演出するときに使われることが多いです。
この後のバンドバトルを連想させる役割があると考えられます。
ロックに取り憑かれた主人公を演じたジャック・ブラック
ここでは売れないロックンローラーという役をコミカルに演じたジャック・ブラックについて迫っていきます。
コメディ映画にかかせない存在
2000年公開の『ハイ・フィデリティ』のオタク青年役でブレイクした。
2001年公開の『愛しのローズマリー』で初主演を果たし、2003年公開の『スクール・オブ・ロック』は全米で初登場1位を記録する大ヒットとなった。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャック・ブラック
ジャック・ブラックのコメディ俳優としての経験が身を結んだ作品が本作であると上記の経緯から考察できます。
その後『ナチョ・リブレ』での主演や『ジュマンジ』シリーズの続編にも出演するなどコメディ映画にかかせない俳優となっていきます。
したがって本作での演技、そして大ヒットが彼の転機となったのは間違いないでしょう。
コミックバンドのメンバーとしての活動
ジャック・ブラックはコメディバンド「テネイシャスD」のメンバーとしても活動しています。
こういったバンド活動も、本作のジャック・ブラックの演技へ大きな影響を与えていると考察できます。
特に、生徒から聞き出した不満や悪口を即興で曲にしていくようなシーンはまさしくコメディバンドとしての活動の賜物といえるでしょう。
本作でネッド役と脚本を務めたマイク・ホワイトがジャック・ブラックのために本作を書いたというエピソードにも納得ができますね。
ロックのもつパワー
『スクール・オブ・ロック』はロックという音楽を通じて登場人物が生まれ変わっていく映画でもありました。
自分勝手なロックンローラーのデューイ、やりたいことがない無気力だった子供たちはロックによって大きく成長していきました。
さらにライブを見た保守的な校長や厳格な生徒の親たちさえも、ロックは変えてしまったのです。
それほどまでに凄まじいロックのもつパワーを本作は私たちに伝えてくれているのではないでしょうか。