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人には消せない「過去」と傷ついた「心」の一つ二つはありませんか?しかし、人生を左右させ生き方さえも変える出来事は稀でしょう。
「影踏み」は群馬県中之条町が舞台の作品です。
原作 横山秀夫、監督 篠原哲雄、主演 山崎まさよしの2019年11月公開の映画。
引用:影踏み/配給会社:東京テアトル
中之条町で開催される「伊参スタジオ映画祭」で2016年に横山秀夫と篠原監督、山崎まさよしが出会い製作委員会が発足し制作されました。
大竹しのぶや鶴見慎吾といったベテラン俳優が脇を固め、フレッシュな共演者の北村匠海との息の合った好演をしています。
監督の篠原哲雄と山崎まさよしの出会いは、1996年に山崎まさよしが映画デビューし篠原氏が監督を務めた「月とキャベツ」がきっかけです。
この「月とキャベツ」のロケ地も群馬県中之条町であり、縁の地の映画祭で再会し実現した再タッグ作品です。
「影踏み」の影の正体に迫る
映画の原作は横山秀夫のミステリー小説「影踏み」です。天才ノビ師である真壁修一が主人公の7つの短編連作です。
横山秀夫作品は刑事目線でのものが多い中、泥棒が主人公で泥棒目線のストーリーで、構成の特徴から映画にするのが困難といわれました。
影のように寄り添う青年
稲村道夫の家に泥棒として侵入した修一が2年の刑を経て出所したとき、そこに「修兄」と呼ぶ謎の青年が現れます。
修一と青年は気心の知れた親しい間柄に見え、小説を読んでいない初見者には特別不思議な登場人物ではありません。
しかし稲村葉子の不可解な事件、吉川の死、官僚とヤクザの闇取引に迫る修一の傍らにいつもいるこの青年が一体何者なのかが鍵でした。
青年の正体は啓二
久子が見合いをしたことで修一は久子とは会わないと青年につげると、青年も遠い昔から久子を知っている口ぶりになりはじめます。
青年の正体は20年前に無理心中で亡くなった修一の一卵性双生児の弟啓二でした。
謎の青年は修一の意識の中で呼び起こした幻影で、亡くなった当時の啓二の姿をしています。
修一と啓二と久子
啓二は受験に失敗をして荒れた生活になり久子のことを二人が好きになったことで、修一と啓二の間にはいつしか微妙な空気ができました。