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重松清の『せんせい。』に所収されている短編小説を原作とする映画「泣くな赤鬼」が2019年に公開されました。

柳楽優弥演じる斎藤智之はゴルゴというあだ名を付けられた野球部員でした。

堤真一演じる野球監督の小渕にとってゴルゴとは教師・教え子の関係。

あれから10年、斎藤は雪乃という妻を持ち幸せに暮らしています。一方の小渕は当時の情熱を失っていました。

この元先生と元生徒はお互いに挫折を経験し、そのわだかまりをどう解消するかが見どころです。

今回はそんな「泣くな赤鬼」の、ゴルゴが出した最後のサインの意味・結末に映るゴルゴを思わせる新人の正体を考察していきます。

ゴルゴが出した最後のサインの意味

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ゴルゴが息を引き取る前に赤鬼にサインを出しました。赤鬼もそれに応えて「了解」とサインを返します。

このシーンでゴルゴが出したサインは何だったのかは明確に示されていません。彼は何のサインを出したのでしょうか。

高校時代のプレイバック

ゴルゴが高校時代、野球の試合で監督からバントをするようにサインを出されました。

ですがゴルゴは自分を犠牲にすることを嫌がり、バットを振ったのです。

果たされなかったサイン。この出来事はゴルゴにとっても赤鬼にとっても忘れられない思い出になったことは間違いないでしょう。

ずっとこの時のことが胸につかえていたゴルゴは、死ぬ前にスッキリさせたかったのだと思われます。

「あの時に監督のサインを無視してごめんなさい」という意味が含まれていたのではないでしょうか。

バントの意味

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ゴルゴの出したサインには謝罪の意味とともに、バント自体の意味も込められているようです。

バントには自分を犠牲にして次に繋げる役目があります。

犠牲というのはアウトになるということですが、病床に倒れているゴルゴにとっては死を示す言葉です。

つまりゴルゴの死を次に繋げるということ。次とはやはり赤鬼を指すと考えられます。

病を抱えても野球への情熱を忘れなかったゴルゴが、自身の情熱を赤鬼に託したのです。

野球への情熱を失った赤鬼に、もう一度燃えるような指導者に戻って欲しい。そんな一心から赤鬼にバントのサインを出したのだと思われます。

それに気づいた赤鬼も「了解」と答えた。だからこそ赤鬼は気合を入れ直して再び野球に向き合うことを決めたのです。

結末に映るゴルゴを思わせる新人の正体

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ラストのシーンでゴルゴのように自信満々の新人が野球部に入ってきました。彼は一体誰なのでしょうか。考えられる2つの説をご紹介します。

ゴルゴの意思を継ぐ者

ゴルゴの死と入れ替わりで彼のような部員が入って来たことは偶然でしょうか。

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