そして家族との会話をさせることにより、地球への帰還を目標にさせ、最後の気力を振り絞らせたのではないでしょうか。
サムの心情
最初は旧サムを地球に送ることを新サムが提案しましたが、結局新サムがポッドに入ることになりました。
ここの駆け引きで2人はどのような感情を持っていたのでしょうか。
新サムの心情
彼は最初から自分が地球へ行くことを考えていたように見えます。寿命を考えても旧サムが地球に行く意味が無いと判断したのでしょう。
旧サムならポッドを自分に譲ってくれるという算段があり、提案を出したようです。
旧サムの心情
旧サムも地球に行きたかったでしょう。しかし帰っても自分の居場所はありません。
新サムには丸々3年分の寿命があり、自分が得られなかった自由を感じることができると考えたはずです。
同じサムとして自分を犠牲にする気持ちがあったのだと考えられます。
罵声を飛ばした声の正体
ルナ産業を告発した新サムを「イカレ野郎」呼ばわりした声は、とても印象的です。
あの罵声は誰からのもので、どんな意味が込められていたのでしょうか。
告発の効果
告発されたルナ産業の株価が暴落したことは、新サムが期待した効果でしょう。
これを機にルナ産業の経営は傾き、あわよくば倒産する可能性もあります。
株価の暴落から分かるように、クローンを労働の道具として使用したことは世間から認められていません。
クローンを作ること自体が非難の対象ですし、その上そのクローンで莫大な利益を得ていたルナ産業が社会的信用を失うことは確実です。
誰もこの会社を擁護しようとしないでしょう。ですがラストの罵声は明かにルナ産業に味方する人からのものです。
果たして誰からだったのでしょうか。
オリジナルへの復讐
ルナ産業の信用失墜を懸念したこの罵声の主は、ルナ産業に味方する人間だったことが推測できます。
そう考えるとその正体はオリジナルのサムだったのかもしれません。
オリジナルのサムは、自分がクローン作りに協力したことがバレてしまうと都合が悪いはずです。
働かずに大金を得ていたことが知れてしまいます。そうなればオリジナルのサムへの非難も出てくるでしょう。
周囲からの視線も厳しくなりますし、娘から嫌われるかもしれません。
どう考えてもオリジナルのサムは今の生活を維持することが困難になると思われます。だからこそ新サムの告発に罵声を浴びせたのでしょう。
新サムはクローンではありますが、自分の分身であることは間違いありません。
自分の事しか頭にないオリジナルのサムから生まれたクローン達は、この身勝手な性格を引き継いでいるのでしょうか。