出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00YBOU82Q/?tag=cinema-notes-22
博物館夜間警備員として働いていたラリー(演:ベン・スティラー)と、動く展示物が織りなす物語がついに最後を迎えました。
それが『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』。
『ナイトミュージアム』シリーズの中で最も重要な秘密を持つのが、石板の存在です。
本作では石板の秘密が明らかにされましたが、映像として映し出すにはその秘密は膨大過ぎます。
なぜなら史実や現実世界の問題も石板の背景に潜んでおり、そこから新たな石板の秘密が垣間見えるからです。
そして、ラストシーンで大英博物館に石板は残されたはずなのに、自然史博物館の展示物は動いています。
なぜイギリスから遠く離れたニューヨークの自然史博物館の展示物が動いているのか。
今回は石板の秘密を徹底的に考察し、『ナイトミュージアム』シリーズを通しての最後のシーンの理由に迫ります。
展示物に命を与える秘密
『ナイトミュージアム』シリーズを通して、石板には展示物に命を吹き込む力があることが分かります。
その秘密が本作でやっと解明され、それはアクメンラーの父であるマレンカレのみが知る秘密でした。
オクタヴィウス(演:スティーヴ・クーガン)や猿のデクスターなどと一緒に、ラリーはマレンカレに石板の秘密について尋ねます。
そこでマレンカレは、石板の秘密に月が関わっていることを語っていました。
石板の力を回復する「月の光」
映画が佳境に入るころ、ついに石板の力がなくなり展示物たちはどんどん倒れていきます。
その状況を見て、石板を奪っていたランスロットはラリーに石板を返し、ラリーは石板を月の光にあてました。
そうすると、次々に倒れた展示物たちが起き上がり始め、元のように動き出します。
つまり石板には「月」が大いに関係しており、月こそが石板の動力源でもあるのです。
月が動力源はこのシーンから分かりますが、ではその動力源の動力は誰が持っているものなのでしょうか。
月の神コンス
マレンカレが語った石板の秘密に、月の神コンスという神が石板に関わっているという説明がありました。
マレンカレはアクメンラーが生まれたとき、この子どもがいつまでも幸せでいて欲しいと思ったそうです。
そのため、家族でいつまでも一緒にいられるように、月の神コンスの神殿で神官に石板を作らせ力を石板に吹き込んだ、とのことでした。
つまり石板の力の源は月であり、その月の神コンスの力が展示物に命を吹き込むのです。
そして石板にコンスの力を再び入れるには、月の光をあてれば良いのでした。これが映画内で語られる石板の秘密です。
しかしこれだけでは、まだ納得がいきません。そこで月の神コンスについて調べると、意外なところにつながっていきました。
月の神コンスを深堀りすると…
これまでは映画内で語られた石板の秘密です。ここで月の神コンスについて深堀してみます。
深堀していく中で見えてきたことは、古代エジプトの歴史とアクメンラーとマレンカレのモデルのファラオの存在でした。
月の神の力
世界の歴史上に月の神はたくさん登場してきました。
例えば日本の古代の神ツクヨミ(漢字は月読)ギリシャ神話のアルテミスなど、数々の地域の歴史の中で、月の神は登場しています。
支配者の象徴である太陽の対の存在として月は考えられるため、その力には大きな力が宿っているとされてきました。
太陽神が権力や支配者と結び付けられるのに対し、月神は寿命や性、庶民と結び付けられる
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/月神
本作のコンスもエジプトにおける月の神です。そして説明によると、月の神は「寿命」を司る神とのこと。
実際に映画内では、石板に「命を復活させる、または復元する」力を吹き込みました。
この力のおかげで、石板は展示物を復活させ、元はミイラだったアクメンラー(演:ラミ・マレック)も元の姿で復活するのです。
コンスのもう一つの役割
月の神コンスには、他にも役割があると説明されています。
子供の姿から新生児を守護するとも、月の神であることから夜に三日月の刃を振るい罪人に制裁を与える恐ろしい神とも言われる。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/コンス
マレンカレが、コンスの力を石板に吹き込ませるのも分かります。コンスは新生児の守護をする神でもあるからです。
そしてもう一つ注目したいこと。それは罪人に制裁を与える役割を持っていることです。
物語の中では石板が徐々に力を失い、博物館の展示物たちは次々と倒れていきました。