しかし、本当にそれだけでしょうか?
ラファはマイクという似ている存在と話をすることで自分自身が何なのか、確かめたかったのではないでしょうか。
マイクとラファはいわば鏡のような存在です。どちらがCIAに心まで洗脳されたエージェントになっていても不思議ではない境遇です。
「ごめんな 自分をコントロールできない」
「やつらが俺の頭に何かした」
引用:エージェント・ウルトラ/配給会社 KADOKAWA
ラファという存在は、マイクにとってありえたかもしれないもう1人の自分といえるでしょう。
ラファの最期
映画の中ではラファの最期というのは明確に描かれていませんでした。
マイクが拳銃を床に置いたシーンから、マイクが手を下したとは考えられません。
さらに上記のラファのセリフから、任務に失敗したためマインドコントロールされ自害したと考えることができます。
CIAは機密情報を扱う機関のため、生きて捕虜になることで情報が外部に漏れることのないように洗脳していてもおかしくありません。
ラファという存在はマインドコントロールの恐ろしさをも表しているといえます。
ラストシーンのもつ意味
『エージェント・ウルトラ』は中国人マフィアのもとへマイクが潜入をするシーンがラストに描かれていました。
ここではラストシーンのもつ意味について考察していきます。
CIAのエージェントになったマイクとフィービー
当初ウルトラ計画は失敗と見なされ、被験者の生き残りであるマイクが命を狙われていました。
しかし、追っ手のタフガイとの戦いに打ち勝ち、結果的にウルトラ計画は成功であったと証明したのです。
よって、CIAからその腕を評価されたマイクはCIAのエージェントとして雇われたと考えられます。
ただし、ラファが会話の中でマイクは自分とそっくりだといった真意がここにもあるとも考えられます。
CIAにこれからいいように使われてしまうのではないか、という一抹の不安や考える余地を残したラストシーンになっているのです。
新婚旅行に行くことができた
マイクは映画冒頭では街を出ようとすると発作が起こり、フィービーとハワイ旅行に行くことができませんでした。
しかしCIAの任務ではありますがラストシーンで新婚旅行で街の外へ行くことができたとも考えられます。
マイクとラフェとのもう一つの違い。それはそばで支えてくれるフィービーが存在するということです。
2人であればどんな困難も乗り越えていけるということも暗示しているラストとも考えることができるでしょう。
2人でウルトラなエージェントになった
ラストシーンにおいてフィービーもCIAに復帰し、マイクとともに任務に当たっているような様子が描かれていました。
よって、エージェント・ウルトラとはマイクだけでなくフィービーを含めた2人を指しているとも考えられます。
お互いのためなら危険を顧みずに、どんな大きな的にも立ち向かっていける。