今作のゴジラは、シリーズの中でも大人しい部類に入ると考えられます。
ラスト、片腕をもがれエネルギーも残っていない機龍のシーン。
傷を負ったとはいえ、ゴジラなら破壊することは十分可能だったはず。
それをしなかったことがゴジラの性質を物語っています。
ゴジラの性質が辛くも機龍に勝利という結果をもたらしました。
機龍の最終兵器が勝った真意
機龍の最終兵器アブソリュートゼロは何故ゴジラに勝てたのでしょうか。
低温という弱点
一見すると弱点などなさそうなゴジラ。
しかしゴジラには低温に弱いという弱点があります。
完全にとどめをさすには至りませんが、活動を停止させる効果があります。
過去作品「ゴジラの逆襲」において、ゴジラを氷に閉じ込めることで人類がゴジラに勝利した描写があります。
また、別の作品である「怪獣島の決戦ゴジラの息子」。
この作品でも最終的に人間が起こした人口雪によりゴジラは活動を停止しています。
「ゴジラVSデストロイア」においても、超兵器スーパーXⅢの冷凍攻撃に動きを止められました。
苦手の寒さに加えて対象を粉々に破壊するアブソリュートゼロ。
ゴジラの戦意を削ぐにはこれ以上ない、ゴジラの天敵ともいえる兵器です。
ゴジラに戦闘を放棄させる力
もう一つの勝てた要因が機龍の姿です。
かって自分の同族だった機龍が自分たちの弱点である冷凍兵器を搭載している。
それもその姿を人間に作り替えられて。
ゴジラを撤退させたアブソリュートゼロ。
機龍を求めて日本に来ることからゴジラはメカゴジラを認識しています。
このことからゴジラには高い知性が存在しています。
切り札であるアブソリュートゼロを受けたダメージ。
それはゴジラの身体だけでなく心までダメージを与えた。
だからこそ撤退させるという勝利を機龍は掴むことができました。
最終兵器が勝てた理由にはゴジラ側の事情も大いに関係しています。
茜が自信を取り戻した理由
ミスで仲間を死なせ自信を失った主人公・茜。何故自信を取り戻せたのでしょうか。
湯原親子の存在
主人公の家城茜は親も兄妹もいないと本作で語っています。
そんな茜に機龍を通して知り合った湯原親子。
父の徳光は特生自衛隊で孤立する茜に味方する数少ない人物でした。
茜にとって父、または兄のように。
娘の沙羅ははじめは茜と反りが合っていませんが最終的に心を通わせました。
はじめて家族のような人間ができたことで茜は他人に心を開けるようになりました。
仲間から認められる茜
茜が自信を取り戻せたのは過去のトラウマを克服できたこともあります。
機龍の初出撃。茜と対立していた特生自衛隊の葉山は茜に救われました。
これは、茜にとって過去にできなかったことをやり遂げた瞬間です。
この経験が彼女の心を過去から未来へと向かわせました。