このシーンがやや絶望的ながらも前向きに感じられるのはそういう理由からです。
祖父≒過去のエルサ
そして四つ目ですが、悪事を働いた祖父が前作で猛威を振るった過去のエルサに似ているからです。
本作のエルサはかつて3年前に自分を解放して魔法を使ったことを恥だと感じる素振りを見せています。
自分自身を解放したはいいけれど、まだ完全に過去の自分と向き合い払拭したわけではありません。
そのことに薄々自覚はあったものの、祖父の悪行を知るまでは分からなかったのではないでしょうか。
また、祖父のそうした姿は一歩間違えれば自分もこうなったかもしれないというIFでもあるでしょう。
そうした自分の心の暗黒面と向き合ったときに初めて彼女は過去の罪と向き合ったのかも知れません。
母イドゥナの正体
本作ではエルサの魔法が使える理由と共に両親の秘密も明かされます。
母イドゥナ王妃の正体は謎のままでしたが、一体何者だったのでしょうか?
ノーサルドラ出身
まず本編で明らかにされているのはノーサルドラ出身だということです。
しかもやんごとなき家系に生まれており、アレンデール国王とは人種の壁を超えて結婚しています。
ここでまずエルサが氷の魔法を使えた理由が母の出自にあったことが判明するのです。
そこまで出来るということは凄く芯の強い人間であったことに間違いありません。
エルサの気の強さ、種族や国境すら超えてしまう大胆さは母譲りといえるでしょう。
霊媒体質か?
本編ではエルサの両親が自分の力の正体・真相を知ろうとしたことが明らかとなりました。
ということはイドゥナ王妃自身は特別に魔法を使える力がなかったことになります。
とはいえ、彼女は精霊と会話が出来、精霊の力を借りることが出来る不思議な力があるのです。
このことから母は一種の霊媒体質で非常にスピリチュアルの力に長けているのかもしれません。
そして精霊の力を借りてきた経験が魔法の力となってエルサに継承されたのではないでしょうか。
他人の気持ちに寄り添える人
母イドゥナは敵対する者同士であるにも関わらず、我が身を省みず父を助けました。
そして祖父が行っている悪事に関しても決して不正を赦さない人でもあったのです。
このことから凄く優しく他人の気持ちに寄り添える温かい人であることが窺えます。
その優しさ・温かさがまたエルサとアナにも大きく受け継がれているのでしょう。
変化というテーマ
さて、本作においてはエルサをはじめ各登場人物に「変化」がテーマに置かれていました。
その「変化」というテーマには何が込められているのでしょうか?
世界の変化
前作がエルサを中心にした「個」の変化だったのに対して今作は「世界」が変化していきます。
これは個人の変化が周りを変化させ、そして周りの変化が広がって世界を変えていく図式です。
エルサが、そしてアナが姉妹という関係性から変化したことでクリストフもオラフも変化します。
そして最後には何とアレンデールと魔法の国の象徴にまで変化していくのです。
こうした「変化」がどんどん内から外へ広がっていく様こそがまず目に見える変化でしょう。
「自立した個人」への変化
冒頭にも書いたように、今作では世界の変化の中で「自立した個人」が描かれます。
この内エルサに関しては触れたのでアナとクリストフに触れてみましょう。