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ダヴィンチコードは2006年に公開されたアメリカ合衆国の映画です。
原作はダン・ブラウンの同名小説でロン・ハワード監督の代表作となりました。
本作はレオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐に隠された暗号やさまざまな象徴などキリスト教に深くかかわるミステリーです。
ルーブル美術館館長の謎の死と問題解決のための暗号解読など、始まってすぐに怒涛の展開で観る者を引き付けます。
中でもソフィーが目撃した謎の儀式は話題でした。
その儀式の意味やマリアが隠された謎、そしてなぜクリプテックスの暗号を解読できたのかなど深掘りしていきましょう。
シオン修道会の儀式の意味
ソフィーが語った祖父と疎遠になった原因の一つに謎の儀式がありました。
この儀式は『ヒエロス・ガモス』と呼ばれる長い歴史を持つものでした。
まだ少女だったソフィーが人々に囲まれつつ中央で女性と交わる祖父を嫌悪したのも無理はありません。
聖なる婚姻
『聖なる婚姻』とはギリシャ語でヒエロス・ガモスと呼ばれる儀式のことです。
起源は二千年以上も前に遡り、古代エジプト時代といわれています。
そもそもは聖職者の男女が『女性の力』を称え執り行うものでした。
この儀式に参加できるのは極めて少数の上位信者たちであり、儀式を執り行うことができる男性はシオン修道会の総長のみとされています。
相手の女性は『神に一番近い人』であり、ダヴィンチコードの中でいうとソフィー・ヌヴーの祖母です。
原作ではこの祖母と総長ジャック・ソニエールは夫婦であり、ソフィーはジャックの実の孫という設定でした。
閉所恐怖症のロバート・ラングドンを癒したソフィーの特殊能力の描写がありました。
これは母から受け継いだとソフィー自身が話していることから、キリストの子孫は母方であることが判ります。
ヒエロス・ガモスの意義
春を死からの復活と定義し、夏から秋にかけてを実りと収穫とします。
そしてまた訪れる冬の死という一連の流れとしてとらえ、豊穣を祈願する儀式として定着していきました。
子を産み子孫を繁栄させることができる女性の生殖能力は、穀物を実らせる大地と同じとされています。
そして女性を『命を紡ぐことができる絶対的存在』とするのが女性崇拝の源です。
その絶対的存在である女性と一体となることでしか男性はグノーシスを得ることができません。
ですからヒエロス・ガモスにエロチシズムは存在せず神聖な儀式としてのシンボリックなセックスなのです。
シオン修道会とテンプル騎士団
シオン修道会の存在とその証拠をリー・ティービングは全面的に支持していますが、その歴史や史実は不透明な部分が多く真説は不明です。
ただし存在は事実で起源は11世紀まで遡り一部の文献によるとテンプル騎士団の財産管理を担う集団だったとも言われています。
シオン修道会とは
フランス政府に発足が提出されたのは1956年ですがシオン修道会は1099年の設立だと主張しています。
シオン修道会の最終目的はメロビング朝の復興であり、その実行部門としてテンプル騎士団が存在していると言いました。
メロビング朝は5世紀末に西ヨーロッパで発生した王族で、映画の中でもその名が出てきます。
それはテンプル教会の地下でラングドンにより語られましたが、マグダラのマリアの血統です。
マグダラのマリアを守ることはシオン修道会の目的に沿うものであり、キリストの血筋を守ることに繋がります。