「羊たちの沈黙」でレクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスでなければ不可能な役所でしょう。

ゲランもまたベン・キングズレーでなければ演じられず、役者達がキャラを見事に膨らませています。

自分の為じゃなく他者の為

ですが、今回のケイシーの犯罪はこれまでと大きく違う所があります。

自分の為ではなくジュリエットの為という目的がきちんとケイシーの中に出来ていることです。

また、自分のお供に相棒のマティアスを連れていき、時には駆け引きすら行なっています。

人間、自分の為だと限界があるが、他者の為なら普段の何倍も力を発揮できるものです。

ケイシーはジュリエットの為ならどんな危険も厭わない、凄く筋の通った男になる決意をします。

カールだけ逮捕された理由

逮捕されるまで 空白の2年7ヵ月の記録

苦難の末、ケイシーは何とかジュリエットの手術代は捻出したものの警察に一度捕まりました。

しかし、ある出来事がきっかけでケイシーは逮捕されず何故かカールだけが逮捕されたのです。

一体何故こうなったのでしょうか?あらすじを踏まえて見ていきましょう。

カールの弱みを握っていた

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まず一つにはケイシーがカールが麻薬王であるという証拠を握っていたことです。

これがあることで、警察との取り引きによって逮捕を免れることが出来ました。

証拠の中身は明かされませんが、後述するトラック襲撃の狙いと関係しているのでしょう。

そんな証拠を取り引きに持ち出されては、さすがの警察でも断れる筈がありません。

ケイシーがこういう咄嗟の機転に優れていたことが不幸中の幸いでした。

マティアスが逃げられた理由

逃げるは恥だが役に立つ【TBSオンデマンド】

ここで第二の疑問はケイシーの相棒マティアスが無事に逃げ切れた理由です。

あれだけド派手な犯罪をやらかしておいて、彼も無事で済むはずがありません。

しかし彼は何故か最後まで逃げ切り、かつ最後には大金を受け取っているのです。

ここはケイシーが盗んだ車の中にあったコカインのお金の一部が伏線となっています。

直接描かれていませんが、ジュリエットを解放し逃がした際そのお金を渡したのでしょう。

ジュリエットとマティアスがそのお金で難を凌いだと考えれば逃げ切れる理由にもなります。

言ったもの勝ち

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そしてこれが一番の決め手ですが、結局ケイシーが狡賢い策士だったことが最大の勝因でしょう。

彼は意味深にも、本物のトラックは隠しているとか証拠はあるとか言っていますが、本当は分かりません。

上記の考察してきたことも口から出任せだった可能性だって否定できません。

ただし、どちらにしても大事なのは相手にそう思わせられるかどうかということでしょう。

案外こういうのは言ったもの勝ちという側面はあり、尤もらしい嘘は生半可な真実より価値があります。

ケイシーはドライバーとして現場叩き上げで育ったので、こういう修羅場を何度も経験してきたのでしょう。

こういった丁々発止を行える策士は中々おらず、きっとその才もあって逃れられたのです。

トラック襲撃の狙い

青島文化教材社 1/32 トラック野郎シリーズ No.6 一番星 北へ帰る プラモデル

ケイシーとマティアスはゲランから25万の高額報酬と引き換えにトラック襲撃に乗り込みます。