ロイはこの一件で、自分が生きてきた意味を考え直す必要が出てきたのでしょう。
ロッキーの元へ
ロイは自分の生涯を振り返り、何の意味も見つけられなかったことに驚愕したと思われます。
そんな彼が余命わずかな体で出来ることといえば、ロッキーに財産を残すこと。
表向きはロッキーのために見えますが、実はロイ自身のためだったのではないでしょうか。
自分が生きてきた意味をこの世に残すことが、彼がロッキーに向き合う目的だったように見えます。
エゴの共生
結局ロイはロッキーの元へ戻り、共存する道を選びますが、彼らはお互いを自分のために利用しようとしていたように見えます。
二人の思惑とは何だったのでしょうか。
ロイがもし家庭を持っていたらロッキーくらいの歳の娘がいたかもしれません。
そう考えたロイは死ぬ前にまともな人生を送ってみたいと思ったのではないでしょうか。
二人の娘を持つ父親として家族ごっこを始めたようにも見えます。そして娘に財産を渡すことで自分が生きた意味を繋げようとしていたはずです。
一方のロッキーの望みは自分とティファニーの安全。財産ももらえることになり、ロイについて来て正解だったと思ったのではないでしょうか。
誰も咎められないリアルな人間模様の行く末
生き残るはずだったロッキーが死に、余命わずかだと思っていたロイが生き延びるという結末が用意されていました。
もし計画通りにことが運んだら、彼らは幸せだったでしょうか。
まず財産をロッキーが学費に充てるかどうか不明です。
誰からも監視されない状態で、ティファニーを育てながら勉学に勤しむのは難しいと思われます。
まだ19歳ですから、遊びにお金を使わないとは限りません。
そうなると、答えはティファニーが示してくれているように見えます。彼女は今、幸せです。
だとしたら、ロッキーが死んでロイが刑務所に入ろうと、彼らの人生は無駄にならなかったのではないでしょうか。
まとめ
死に直面した時、人間はどんな行動に出るでしょうか。人を助けるのか、自分のためだけに生きるのか。
「終わりよければ全てよし」という言葉が当てはまるのがロイの生き方だったのではないでしょうか。
ヒットマンとして多くの人間を殺してきた彼が、最後に善い行いをしようとしたこと。
自分の存在価値を見出せなかったロイは、ラストにはちょっと自分を誇れる人間になったのではないでしょうか。