たとえ血がつながっていても兄妹でも、私はずっとずっと風間さんが好き
引用:コクリコ坂から/配給会社:東宝
海は父親に抱いていた“好き”という同じ気持ちでいようと自分なりに答えを出し、俊への変わらない気持ちを正直に伝えたのです。
海の流した涙の理由
俊への気持ちを必死で切り替えた日の晩に帰国した母親から俊と父親との関係について聞き、覚悟を決めた海の気持ちの糸が切れた瞬間でした。
母親からの話しで俊の生い立ちについて事情を知り、普通なら兄妹でなかったという安心感で終わるはずでした。
海:もしも、風間さんがお父さんの本当の子供だったら…
母:あの人の子供だったら…会いたいな…似てる?この写真と
引用:コクリコ坂から/配給会社:東宝
父親の雰囲気に似ている俊に海は“もしも”と尋ねたのです。母は海が俊に思いを寄せてると知らないので、“会いたい”と、答えてしまうのです。
それで血がつながっていなくてよかった…という、嬉しさや安心感もありつつ、もしもという気持ちが涙となって溢れ出たのです。
俊の親は誰?
俊には3人の父親がいたことになります。実の父親「立花洋」、戸籍上の父親「澤村雄一郎」、育ての父親「風間明雄」です。
ただし、まだ確信のなかった2人に他に当時の事情を知っている、小野寺善雄に会えるチャンスがきたのです。
男同士の友情が俊の運命を救った
俊の生い立ちは小野寺の話しで明確になり、彼の運命が男たちの友情によって救われたものであることも同時に知ったのです。
俊の親は17年間育ててくれた風間夫婦ではありますが、この夫婦に絶大な信用を寄せたられたのも友情からです。
澤村雄一郎が親友の息子を信頼する海の仲間に託せたことは俊にとって、戸籍上以上の愛情が伝わったのではないでしょうか。
育ての親、風間夫妻
明雄は詳しい事情も聞かず俊を引き取り、早い段階で実の父親は澤村雄一郎だと俊に伝えていたと思われます。
海の気持ちを知った母が明雄に俊の生い立ちを説明したことで、俊と海の小野寺との対面が叶ったと考えられます。
明雄の計らいが風間親子の絆をより深めたことは間違いありません。
カルチェラタンの解体を救った海の提案
カルチェラタンは高度経済成長期の影響や建物自体の老朽化から、解体し新しい部室棟を建てる話しが進んでいます。
その名の通り賛成反対の反体制論争がカルチェラタンでは繰り広げられていたのです。
海はカルチェラタン同様に古い洋館を「コクリコ荘」として下宿屋をやっているので、古きよき物の意味がよくわかっていたのです。
古いけどとても良い建物だもの、綺麗にして女子も招いたらみんなも素敵な魔窟だと思うわ。
引用:コクリコ坂から/配給会社:東宝
カルチェラタンとは
「カルチェラタン」とはフランスのセーヌ川左岸の地域を指す地名です。