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勝手に大学の願書を取り寄せたり、片思いのモリーと舞台に立つ先約まで入れたのです。
あまつさえ仕事で大失敗した挙句舞台まで台無しにしてしまう程の大喧嘩をしてしまいました。
如何にシュミットとジェンコが根っこの部分で警察官の仕事を甘く見ていたかがお判りでしょう。
それは高校退学と21ジャンプストリート署の懲戒解雇をされるのも納得の流れです。
友人と仕事仲間の履き違え
このような愚の骨頂ともいえるすれ違いの根本の原因は友人と仕事仲間の履き違えにあるでしょう。
彼らは高校時代の同級生とはあくまで過去のことであり、あくまでも今の二人は仕事仲間です。
学校と職場、その最大の違いは「お金を頂いて働くプロである」という意識の有無にあります。
利害関係のない学生という立場はその存在を大人に快く保護された存在だからなあなあでもいいのです。
しかし、これが仕事となると友達の関係で見過ごせていた部分も見過ごせなくなってきます。
ましてや性格も個性も正反対、警察官でなければ一緒に行動することはありませんでした。
学生時代の感覚を持ち込んだまま仕事をするとこのようになってしまうといういい見本でしょう。
最後に潜入捜査を依頼した意図
そんな大喧嘩をしたジェンコとシュミットのもとにドラッグ売人のエリックが声をかけてきます。
何とプロムでの麻薬取引に、ボディガードとして同行してほしいという依頼をするのです。
果たしてエリックは何を目論んでいたのでしょうか？
甘っちょろいと見下している
まずエリックがジェンコとシュミットの二人を甘っちょろいと見下していたことが挙げられます。
というのも、二人は一度エリックによって麻薬を飲まされ潰されかけ、更に舞台でも大喧嘩しました。
そうした様子からエリックはきっと二人が甘っちょろく簡単に騙されてくれると信じていたのでしょう。
エリックは表向き爽やかな人気者ながら裏ではこうした闇ビジネスに手を出す腐れ外道です。
その思考が読めない腹の裏でそのようなことを考えていてもおかしくありません。
警察官だと気づいていない
これがエリック唯一の誤算ですが、彼はジェンコとシュミットが警察官であることに気づいていませんでした。
このことは二人にとって完全な怪我の功名で、かつ名誉挽回のチャンスだからと利害の一致で引き受けます。
エリックは警察官に怪しまれないよう適当な煙幕となってくれるような仲間が欲しかったのでしょう。
ただでさえ危険な任務ですから、警察の妨害がないとは限らずカモフラージュの必要性があります。
そうした思惑違いが今回ほぼ重なった偶然のようにして取引へとつながったのではないでしょうか。
元締めが学校教師
そしてこれが最大の理由ですが、エリックの元締めが何と学校教師のウォルターズだったのです。
そのような場所に警察官やSPなどを連れていけば確かにその時点で担任教師共々捕まるでしょう。
そこで、エリックとしてはこの極秘情報が漏洩しないように警察と無関係な人を選びたかったのです。
しかも取引先の相手はかの「ワン・パーセンターズ」ですから、相手方の信頼も関わります。
そのようなコンプライアンスを学生ながらに熟知しているエリックは相当に頭の切れる人物でしょう。
二人の少ない接点
どん底からの大逆転を果たしたジェンコとシュミットですが、決して偶然で勝てたのではありません。
