仮にデータ初期化はソフト上でうまくいかなくても、オービットには物理的にエディを破壊する方法もあったはずです。
故障なのかエディの意志なのか
データ消去できない理由は故障ではなく、感情を持ったエディが無意識にデータの温存を志向したと思われます。
エディには、なぜ自分のデータが消されるのかわかっていました。
カミングスが証拠を隠ぺいするためにデータの消去を指示したことを察したのです。
同僚のヘンリーとの争いや作戦中止に従わず核弾頭を攻撃したことなど、多くの人を死に追いやったことを後悔するエディ。
反省や後悔の感情がエディの神経回路のコントロールを麻痺(まひ)させデータ消去を阻んだと考えられます。
設計者オービットはエディの進化を喜んだ
設計者のオービットは、エディに感情が生まれたことを喜びます。
オービットの最終目標は、人間と同じ感情を持つ人工知能を作り上げることだったと思われます。
図らずも、機体に損傷を受けたことが感情を持つきっかけになりました。
エディの進化が予測できないものなだけに、感情のあらわれは偶然の産物ですがオービットには嬉しい誤算です。
この時のオービットにはカミングスなど意識にありません。
技術者としての新しいモチベーションに燃えていたのです。
生きていたエディの人工知能と無人戦闘機のこれから
エディのような人工知能を持つ戦闘機はこれからも増えていきそうです。
オービットは今後も、人工知能に関する研究を続けていくでしょう。
最後のシーンの意味も考えてみました。最後の自爆の残骸の中に、エディの人工知能の中心部が残っていて起動します。
赤い光はエディが生きていることを暗示していました。
アメリカは責任をもって事故の残骸の後始末をすることになるでしょう。エディはアメリカに帰ることになるのです。
オービットはエディの人工知能が無事に残っていたことで、感情に目覚めた経緯が解析できます。
人間と精神的にも共存できる完璧な無人戦闘機の開発。機械が人間にとって代わる時代は案外近いのかもしれません。
まとめ 進化したエディに救われた二人
進化する人工知能エディに振り回されながらも、最後に感情に目覚めたエディに救われたベンとカーラ。
ヘンリーをしのぶ二人には、エディに対する追悼の念もあったでしょう。
エディの進化を身を持って体験したベンの胸中には、最後にはバディとなったエディが去来していました。
最初は感情を持たない人工知能とチームになることを拒否していましたが、ベンの中には別の感情が生まれています。
最高のチームメイトだったヘンリーの代わりは生まれ変わったエディかもしれません。