ジョンの救いは彼に強い自尊心(プライド)があったことです。逆に酷い偏見とコンプレックスも入り混じっています。
聡明で優しいアヌーと会話できたことで、彼女に会うたびに自分を変えてアヌーにもっと好かれたい…と彼を鼓舞したのです。
神様にお祈りをしてる。そして、悪魔と契約を結んだ。恐ろしい運命を変えたい。
どうか俺を麻痺させないで…
ジョン・キャラハンは身障者ではない、身障者で終わる人間じゃないんだ
ここから救ってくれるなら、魂でも売り渡す
引用:ドント・ウォーリー/配給会社:アマゾン・スタジオ
禁酒会「アラノクラブ」への参加
ジョンはアヌーとの出会いをきっかけにアルコール依存からの脱却を強く望み、何かに救いを求めるようになりました。
次にジョンを導いたのは禁酒会の「アラノクラブ」です。ここの代表ドニーとの出会いがジョンにさまざまな気づきを与えました。
変えられないものを受け入れる安らぎと
変えられるものを変える勇気を与えよ
引用:ドント・ウォーリー/配給会社:アマゾン・スタジオ
ジョンには他の誰よりも苦しい運命を背負ってきたという自己憐憫があるので、同じ悩みのメンバーに対しても下に見ていたのです。
アルコール依存の“口実”が体が自由にならない苛立ちだと認めず、身障者であることを受け入れられない偏ったプライドがありました。
ジョンはこの会の参加をきっかけに彼の中にある偏見や偏ったプライドを矯正していくのです。
母親の幻影が微笑んだ理由
とかく人は自分の思い通りにならないことや不運をつい人のせいにしがちになります。
ジョンもまたうまくいかない日々や四肢麻痺になったことを里親や生みの母親のせいにして恨みに思ったのです。
アラノクラブのグループトークに参加し自分の話しをしても、ジョンの依存症は改善せず隠れてまでもアルコールを飲み自己嫌悪の日々です。
生みの母に会い自分を捨てた事情がわかれば救われると思ったのでしょう。母を探し始めますが手掛かりすらもジョンを“拒絶し拒否”します。
背中に触れた手
「誰が自分を守ってくれるのか」そう不安になった時に母親の存在を感じることで、ジョンは救われたかったのです。
幼少時に血のつながりを感じない環境で育ったジョンには、自分を捨てた母を恨む反面母親を求める気持ちが募り追い続けていました。
名前しか手掛かりのない母親の『どんな女性なのか?』と、母を強く求めた時にジョンは背中に何かを感じ振り向いたのです。
母親の幻影はジョンの理想
見たことも会ったこともない母親の幻影を見たジョンの心理はどういうものか考察しましょう。
ジョンの見た母親の幻影と微笑みはジョンが思い描く母の理想像で、自分に言い聞かせるような言葉は母に言って欲しかった言葉なのです。
ジョン、あなたは善人よ。