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『ガーンジー島の読書会の秘密』は2018年製作の英仏合作映画です。
監督は『ハリーポッターと炎のゴブレット』のマイク・ニューウェル、主役のジュリエットはリリー・ジェイムズが務めました。
イメージ映像的に出演するエリザベスにはジェシカ・ブラウン・フィンドレイが扮しています。
第二次世界大戦時、イギリスで唯一ドイツの占領下におかれた悲劇の島『ガーンジー島』が舞台です。
その美しい自然の中に隠された秘密をジュリエットが解き明かしていきます。
ジュリエットが解いたその『秘密』やドーシーとの結婚に導いた存在を徹底考察していきましょう。
この物語を深読みするために必要な『ガーンジー島の歴史』も合わせて解説します。
ジュリエットが解いた秘密
本が紡いだ縁を頼りにジュリエットはガーンジー島を訪れます。
ロンドンタイムスの名前を出せば大丈夫と思っていたジュリエットでしたが取材はうまくいきません。
彼女を受け入れない読書会のメンバーが隠す秘密とは何でしょうか。
メンバーが隠している秘密
読書会のメンバーが隠している秘密とはそれぞれの後悔でありその象徴がキットです。
戦時下で一時の憩いを与えてくれたエリザベスに対し『自分が悪かった』という気持ちを持ち続けています。
ドーシー(ミキール・ハースマン)は病院に行こうとするエリザベスを止められなかったことを悔やんでいるのです。
アメリア(ペネロープ・ウィルトン)はメンバーの中でも一番大きな後悔を持っていました。
それはエリザベスを占領前に本土に帰らせなかったこと、そしてドイツ人との恋愛を止められなかったことです。
しかし一番大きな彼女の傷は最後までエリザベスの味方でいなかったことでした。
エベン(トム・コートネイ)とアイソラ(キャサリン・パーキンソン)はもっと介入するべきだったと思い続けています。
友人として見守るだけでなく、エリザベスの気持ちをもっと理解するべきだったと後悔しているのです。
作家のジュリエットが追いかけていたのは彼らの知られたくない悔恨でした。
こんな気持ちのままでは彼らの戦争に終わりはきません。
ガーンジー島文学ポテトピールパイ同好会の存在意義
始まりは何であれ彼らはナチスによる占領下で暮らしています。
仕事も食料も友好関係も奪われ孤独の中で生きているのです。
人と関わることの大切さがわかるシーンでした。
そして彼らは『集まって顔を見て話す』ことの隠れ蓑として『読書会』を開きました。
命を賭してまで会いたい仲間になっていったのでしょう。
あの状況下でなければ生まれない感情です。
エリザベスが読書会に与えた影響
強い意志を持ち行動力も兼ね備えたエリザベスは直情型の女性です。
エリザベスが読書会に果たした役割は何でしょうか。
エリザベスが作った安らぎの時間
読書会のメンバーは会の体裁を整えるために本をかき集めるほどですから、もともとは読書の習慣がなかったのでしょう。
読書会とはドイツ軍の監視をかいくぐるための方便が習慣化したものです。
本が好きになったのはかなり後になってからでしょう。
当時の彼らにとっては集まって顔を合わせ、言葉を交わすことが心の平静を保つ唯一の方法でした。