ルーはもっとマーゴの悩みを聞いてあげないといけないし、マーゴも不満はちゃんと伝えないといけません。
要するに双方共歩み寄ってもっと腹を割った話などを毎日ではないにしても定期的にすべきなのです。
確かにルーのいうように言葉にしなくても分かり合える、昔はそういう時代もあったのかもしれません。
しかし、社会情勢も人の心も生活も複雑化した今は言葉にしないと分かり合えない時代になりました。
結果だけを見ればマーゴが悪いのですが、しかしその根本の原因は夫の側にもあったのです。
こうした夫婦間の価値観のすれ違いを埋める自助努力の不足が不倫の原因の根本にあります。
ダニエルに惹かれた理由
以上の経緯からマーゴはルーから心が離れていき、颯爽と現れたダニエルに惹かれていきます。
人力車を生業にしていた彼のどこにマーゴは魅力を感じたのでしょうか?
夫ルーとの比較も交えながら語っていきましょう。
ウィットに富んだ会話力
まず目立つのはルーとの明確な違いとしてウィットに富んだ会話力を持っていることです。
真っ昼間から冗談めかしてややアンダーグラウンドな話をしたり、相手の表情を的確に言葉にできたり。
またその表現の仕方も絶妙なタイミングで絶妙に欲しい言葉をさっとかけてあげられるのです。
それはもうルーが無能な男性に見えかねないくらい語彙力といい伝え方といいハイスペックすぎます。
これはマーゴでなかったとしても下手な女性は簡単に口説き落とされてしまうのではないでしょうか。
一線を引くことが出来る
そうしたアンダーグラウンドさがあり細やかな気遣いが出来ながらも、ダニエルは男としての一線をはっきりと引きます。
ルーと肉体関係に陥りそうになってもきちんとけじめをつけた上でという風に上辺の付き合いに惑わされません。
これはもうルーからすれば不倫や離婚のリスクを冒してでもこの人と付き合いたくなってもおかしくないでしょう。
女性は裏表がない男性よりもどこか謎めいていて思わせぶりなことをする男性の方が魅力を感じ惹かれるものです。
ましてやリスクジャンキーで火遊びを求める体質も重なれば猶更のことです。
再会を約束した絵葉書
その上で決定打となったのはマーゴに宛てた30年後の再会を約束した絵葉書です。
こんな思わせぶりなことをされて惹かれない女性は居ないのではないでしょうか。
かつこの絵葉書はダニエル自身もまたマーゴに惹かれていることを形で示すものでもあります。
夫のルーはダニエルのようにマーゴへの愛情を何かしらの形で示したことがあったでしょうか?
マーゴが風呂に入っている時いたずらで冷たい水を浴びせたことはありましたが、あれでは伝わりません。
結局ルーとダニエル、最大の違いは「伝わる愛情表現」か否かにあったのだといえます。
以上がマーゴがダニエルに惹かれている理由です。
カフェで密会した意味
不倫の関係へと落ちてしまうマーゴとダニエルは昼間なぜか近くのカフェで密会しています。
上記したように話している内容はアンダーグラウンドな内容であるにも関わらずです。
果たして二人がカフェで密会をすることに何の意味があったのでしょうか?
落差の強調
まず目につくのは二人が真っ昼間からアンダーグラウンドな会話をしているということです。