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若林公徳原作の同名漫画を原作とした『映画 みんな!エスパーだよ!』は、2015年公開の映画です。
公開の2年前にはテレビドラマ化され、多くの反響を呼んでいます。
爽快ともいえるエロティシズムをメインに、コミカルな世界観が描かれていました。
ドタバタコメディ劇の中にメッセージ性を感じる本作ですが、黒幕ポルナレフ愛子は、なぜ最後に喜朗を誘ったのでしょう。
更に喜朗の妄想シーンでは、どうして女の子は裸足なのか園子温監督の世界観を紐解いていきましょう。
愛子はなぜ喜朗を誘ったのか
本作の黒幕ポルナレフ愛子は、多数の男性の中から染谷将太演じる喜朗を選んでいます。
彼女はなぜ最後に喜朗を選び、誘ったのでしょうか。
自分のエスパーが効かない男だった
喜朗は唯一愛子のエスパーが効かない人物です。
メモリーコントロールにかからないのは、本当に愛した人だけ
引用:映画 みんな!エスパーだよ!/配給会社:ギャガ
愛子がいっているように、本当に愛したから誘ったと考えるのが一般的です。
しかし愛子の場合は、愛したからメモリーコントロール出来なかった、というより能力が効かないから愛したといえそうです。
となると喜朗を誘ったのはメモリーコントロールが出来なかったから、ということになるでしょう。
世界滅亡を達成する為に必要だった
自分がコントロール出来ない人物を伴侶として味方につけておけば、世界滅亡が可能だと考えたのかもしれません。
喜朗は、エスパーとして欲を抑える為に努力をし続けています。
だからこそ、愛子のメモリーコントロールが効かなかったのでしょう。
しかし愛子は、喜朗をピュアな男子と決め込み自分の相手にふさわしいと誘ったのではないでしょうか。
深読みすると喜朗は胎児の記憶を持っており、そこから強靭な妄想を持っています。
だからメモリーコントロールに屈しなかった、と取ることも出来そうです。
新世界を作る為
愚かな欲にまみれた人間はこの地球にいらない、いてもいいのは神に選ばれた高等な人間のみ
引用:映画 みんな!エスパーだよ!/配給会社:ギャガ
上記のセリフから、愛子の能力が効かない喜朗は高等な人間ということになります。
愛子は神として人間を裁く存在であり、喜朗は高等な人間だからこそ新世界を生み出すアダムになりえたのでしょう。
新世界のアダムにする為に、愛子はピュアだと思った喜朗を誘ったのです。