そうなると教育する相手がいなくて手持ち無沙汰になり、退屈な日々を送らなければなりません。
そんな時に活躍するのが監禁された女性です。死ぬギリギリまでいたぶって、最後には殺す。
そんな彼女なりの楽しみ方があったのではないでしょうか。
なぜグレタは倒れた?
フランシスに飽きてしまったグレタのもとに、新しい獲物が自ら飛び込んできました。
嬉しそうに麻酔入りコーヒーを用意するグレタですが、楽しい会話の最中に朦朧とし、倒れてしまいます。
なぜグレタは急に倒れたのでしょうか。
グレタの油断
エリカが来る前日にコーディーがグレタの家に探りを入れに行きました。
このことからグレタは自分が疑われていることを悟ったわけですから、エリカが来た時も慎重に観察すればよかったのです。
ですから彼女が倒れたのはある意味自分のせいだといえるでしょう。
それにグレタは、フランシスに友達がいると思っていなかったのかもしれません。
あれだけフランシスが孤独をアピールしてきたのですから、グレタがそう思うのも当然です。
自分と同じように孤独だと思っていた相手が、実は自分と違って何でも話せる友達がいる。
そしてその友達が今自分を倒したのだとしたら、グレタは悔しくてたまらないでしょう。
フランシスとグレタの唯一の違い
変装してフランシスを助けに来てくれた親友のエリカに、何も知らずに麻酔入りコーヒーを差し出すグレタ。
エリカはグレタが異常な人間だと知っているので、コーヒーを注ぐ様子を注意深く観察していたのだと思われます。
そして謎の液体を垂らす瞬間を目撃し、隙を見て自分とグレタのカップを入れ替えたのでしょう。
そう考えるとエリカがグレタを倒せたのも、フランシスが全てをエリカに話していたお陰です。
グレタもフランシスも孤独な人間でしたが、唯一の違いが友達の有無だったのではないでしょうか。
グレタを箱に入れたラストの意味
昔グレタが娘にお仕置きする時、箱を使っていました。
その箱に今度は自分が入れられる立場になったのですが、この箱には何の意味があったのでしょうか。
古い考えを閉じ込める
グレタが目指していた母と娘の関係は、少し古めかしいもののように見えます。
母は娘に料理とピアノを叩き込み、どこにお嫁に出しても恥ずかしくないように育てる。
こんな一昔前の考え方をグレタがしていたので、フランシスたち若者とは相容れなかったはずです。
つまりグレタは古い思想を象徴していて、彼女を閉じ込めることは、古い思想を閉じ込めること。
そしてこれからはフランシスたち若者の時代になることを示唆しているシーンなのではないでしょうか。
お仕置き程度
エリカがフランシスを助け出した時、あまり切羽詰まった様子はありませんでした。
フランシスを解放できれば、後はどうでもよかったのかもしれません。
もしグレタをもう二度と世に解き放ちたくないと思ったら、地下室に閉じ込めてもいいはずです。
ですがあえて箱に閉じ込めたように見えます。
ラストシーンでグレタが暴れ、箱が開きそうになっていたことからも、意外と簡単に脱出できそうです。
なぜちょっと甘い制裁で済ませたのでしょうか。それはきっとグレタに、娘の立場に一度立ってもらいたいと思ったからかもしれません。