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映画「ティーンスピリット」は2018年公開の米英合作映画であり、日本では2020年の公開となりました。
マックス・ミンゲラが監督、キャストはエル・ファニンを中心に「ラ・ラ・ランド」のスタッフが再結集した作品です。
物語はイギリスのワイト島に住む歌が得意な高校生が歌手を目指すサクセスストーリーを描いています。
ラストで見せるオーディションのパフォーマンスも話題となっており、数々の楽曲も本作の魅力です。
本作のラストでヴァイオレットが何故優勝出来たのかをネタバレ込みで徹底的に掘り下げていきます。
また、彼女がレコード契約をしなかった理由やヴラドが娘に会う決断をした真意も見ていきましょう。
No.1こそオンリーワンになれる
本作は歌手オーディションの優勝が物語のゴールとなるわけですが、海外のオーディションは日本のそれとは違います。
日本のオーディションはアイドルにしても俳優にしても「未完成でも将来性がありそう」という観点で選ぶのです。
つまりオーディションの段階で出来上がっていなくても選ばれるし、選ばれた後の成長がエンターテイメントになります。
それに対して海外のオーディションは実力主義、もう選ばれる段階できっちり完成していないと認めて貰えません。
舞台に立つからにはプロとしての実力と誇りを気高く持てという考えが強く、競争もそれだけ過酷です。
だからこそ最後の一人、つまりオーディションにおけるNo.1こそが真のオンリーワン歌手になれることを意味します。
No.1にならずしてオンリーワンになることは不可能だという”強き者”を目指す少女の成長物語なのです。
優勝出来た理由
田舎から出てきたヴァイオレットは紆余曲折の末、オーディションに見事優勝しました。
その秘訣は一番に彼女の素晴らしい歌声とパフォーマンスが評価されてのことです。
ここではあらすじを振り返りながらヴァイオレットの優勝した理由をじっくり掘り下げていきましょう。
ヴラドとの絆
一番はやはりヴァイオレットの才能を見出し発掘して二人三脚で育成に尽力して下さったヴラドのおかげでしょう。
元オペラ歌手の彼が時に厳しく時に優しく叱咤し支えながらやって来たからこそ挫折を乗り越えられたのです。
前日に些細な喧嘩から別れが生じても、彼がオーディションのパフォーマンスを見に来てくれました。
オーディションの歌声はまず第一にヴラドへ届けたものであり、不特定多数よりも大事な誰かの為に歌う方が響きます。
彼の支えなくして彼女は優勝出来なかったのは間違いありません。
弱点の克服
二つ目に二次オーディションで審査員ジュールズから受けた呼吸法の弱点をきちんと克服したことです。
良き審査員はオーディション後にフィードバックを行いますが、ジュールズの力も大きいでしょう。
自分が壁を壊して進んでいくためには決して優しい言葉だけじゃなく厳しい言葉も必要となります。
ヴァイオレットもきちんと己の弱点を認め、そこから逃げずにしっかり克服してものにしていきました。
長所を伸ばすだけなら二流、弱点を克服していく心構えと実践があって初めて一流になれるのです。
父の忘れ形見の十字架
三つ目が父の忘れ形見ともいえる十字架です。ベタではありますが、親の支えも間接的に機能しています。