出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01HHZDIWC/?tag=cinema-notes-22
2016年に公開され、アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した「ズートピア」は可愛い動物が主役のアニメですが、奥が深い映画として多くのファンを魅了しています。
可愛さの裏に痛烈な社会風刺を秘めたズートピアの真実の姿をのぞいていきましょう。
ズートピアに隠されたメッセージはディズニーが世界中の子供達、そして大人達に届けたいものでした。
ズートピアはアメリカ社会を風刺している
ズートピアの世界はファンタジーで、リアルな世界とかけ離れているにも関わらずどこか身近に感じる設定になっています。
この身近に感じるリアル感こそがズートピアたるポイントとなっており、ディズニーの意図した表現なのです。
様々な人種が混在する街
ズートピアには様々な動物が暮らしており、肉食動物と草食動物とに分けられています。
この構図は様々な人種の集まるアメリカを表現しています。
現在アメリカは「誰にでもチャンスはある」というアメリカンドリームに憧れ渡米するも、実際は人種差別によって夢を断念する人が多いのです。
日本人にはピンとこない状況かもしれませんが、アメリカには黒人差別が根強く残り、また出身国によってもコミュニティに分かれ生活の場所が分れています。
ズートピアの世界は、人種差別が残るアンフェアなアメリカを象徴しているのです。
差別用語として取られる言葉に注意
劇中でジュディはクロウハウザー(受付のクロヒョウ)に「かわいいね」といわれています。何のことはない言葉ですが、ジュディは下記のように返しています。
うさぎ同士ならいいけど、他の動物に言われるのはちょっと……
引用:ズートピア/ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
海賊版DVDを批判
劇中でイタチが海賊版DVDを売っているシーンがあります。
このシーンはN.Yの道端で売られている海賊版DVDを風刺しています。
タイトルをよく見てみると「Floatzen 2(Frozen 2)」や「Pig Hero 6(Big Hero 6)」などディズニー作品をもじったものが置かれています。
「サービスをお断りする場合がございます」
アイスクリーム屋さんで店主が指さす「サービスをお断りする場合がございます」のプレートは痛烈な社会風刺です。
アメリカではかつて白人以外を入店禁止としていた店が多くありました。実は現在も白人以外お断りの店は存在しています。
劇中ではキツネのニックが差別を受けていますが、実際はアメリカ国内の有色人種が受けていた差別なのです。
「DMV」の事務手続きは本当に遅い
肉食動物=黒人、草食動物=白人
ズートピアに登場する肉食動物は黒人を表現し、草食動物は白人を表現しています。
そしてよく見ると、登場する草食動物の数が肉食動物よりもはるかに多くなっています。多数を占める草食動物(白人)が、肉食動物(黒人)を野蛮だと決めつけ差別する街なのです。
差別された肉食動物(黒人)は、良い職にはつけずそのことが更なる差別を生んでしまいます。