世間では狂暴というレッテルを張られた肉食動物のニックを、草食動物のジュディが言葉で傷つけているシーンもあります。本当の弱者とはどういうことか考えさせられるシーンです。
2019.06.27
【ズートピア】可愛さの裏に隠された社会風刺や現代社会へのメッセージを読み解く!「深すぎる」といわれる所以はそこにあった
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アメリカは現在人種差別を禁止する動きが強まり、入学や就職に黒人優遇枠が設けられ、白人は無駄にハンデを背負う形です。
白人は有色人種よりもより良い点数を稼ぎださなければ、採用はされないのです。
ここに女性差別を禁止する動きも加わり、同じ成績なら女性を優先するという企業が多く少数派の白人男性にとっては住みにくい国となりました。
差別というのは厄介な問題のようです。
ズートピアの見え方は時代と共に変わってくるのかもしれませんね。
自覚のない偏見を持っていませんか?
ズートピアは差別を隠れたテーマにしていますが、人種差別のない国といわれている日本でも無意識のうちに差別をしているのかもしれません。
そんな無意識の差別は劇中で上手く表現されています。
ジュディの偏見
ジュディは小さいウサギ、女性であることが理由で差別されている登場人物です。
またジュディは「自分は差別しない」と言い切っていますが、無意識のうちに肉食動物に偏見をもっていました。
これまで被害者であり正義だと思っていたジュディが、実は加害者であり差別感をもっていたということは、観るものをはっとさせるのではないでしょうか。
自分の思い込みの正義感は果たして本物なのでしょうか?
人を責める前に自分自身の中をのぞいてみる必要があるのかもしれません。
日本人でも偏見を持っている?
日本は差別のない国といわれていますが、果たしてそれは本当でしょうか。
被害者にしかわからない差別感があるではないでしょうか。ズートピアは隠れた差別があることをやんわりとそして的確に指摘してくれます。
登場キャラクターが示すもの
ズートピアには個性豊かなキャラクターが多数出演しています。
動物のサイズもそのままに個性を反映したキャラ設定ですが、ここにも社会風刺は隠されているのです。
ウサギのジュディ・ホップス
主人公であるジュディ・ホップスは、草食動物でありながらも女性差別を受ける弱い存在として描かれています。
優れた才能を持っていても理不尽な理由で、外されてしまうのです。多くの人は不当な扱いに腹を立てながらも、夢をあきらめてしまうものです。
しかしジュディはそんな差別に立ち向かいます。
近年は女性を主人公にしたヒーローなど、強い女性が映画界をにぎわしていますがジュディもそんな強い女性のひとりといえるでしょう。