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本作でホリー役のジュリア・ロバーツが貫禄の演技を見せ、高い評価を得た映画「ベン・イズ・バック」。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジズ演じる息子ベンがクリスマスの朝、突然姿を現したことから物語が動き出します。
薬物依存症の治療施設にいるはずのベンが帰宅したことで、家族から疑惑の目が彼に注がれ、誰も歓迎しません。
母親のホリーが喜びを見せるだけです。
その晩、飼い犬ポンスが薬物関係の仲間に連れ去られ、ベンが探しに出ますが、彼自身も姿を消してしまいます。
ホリーが見つけたベンは薬物過剰摂取により、死の危険が迫っていました。
彼女はベンを助けることができたのでしょうか。
今回は、最後の誘惑に勝てなかった理由・ホリーの愛の真意・目を覚ましたベンの心中を考察していきます。
ホリーの愛の真意
家族のほとんどがベンの帰宅を快く思いませんでしたが、ホリーだけは笑顔で迎え入れました。
これは母親として当然なのかもしれませんが、ホリーの行動を見ていると愛とは別の感情で動いていたようにも受け取れます。
ホリーは純粋に愛だけでベンに接していたのでしょうか。
息子依存
ベンが家に帰って来て、唯一喜んだのがホリーでした。
手を焼く子ほど可愛いとはいいますが、ホリーにとっても手のかかるベンはやはり可愛いのでしょう。
ホリー以外の家族が誰もベンの味方をしないのは、ホリーが彼を溺愛しているからかもしれません。
息子を守れなかった親の懺悔が彼女の中にあり、それを払拭するかのようにがむしゃらに息子を愛する方法とったのだと思われます。
薬がベンの心の弱さにつけ込んだように、息子の存在がホリーの心の隙間に住み着いたのではないでしょうか。
ホリーの弱さ
本当に息子のことを思うなら、突き放すことも大切です。
ですがホリーにそれができなかったのは、彼女の弱さ故だったのではないでしょうか。
本人は献身的に息子をサポートしているつもりでも、本当は自分の心の穴を埋めたいという思いが先に立っていたのかもしれません。
ホリーは善人ではない
息子を見捨てず危険な場所まで探しに行く姿は親の鏡といってもいいかもしれません。
ここまでしてくれる母親の存在はベンにとっても救いだったでしょう。
しかしホリーはベンを中心にするあまり、医者に暴言を吐いたりスペンサーに薬を渡したりと、あまり褒められない行動のためらいません。