レスキュー隊長として最前線に趣く人間だからこそ表の飾りではなく中身で判断する目を持たないといけません。
ガロは恐らくそういう意味でリオの本質を見抜くことに長けている天才なのではないでしょうか。
真の悪を見据えている
つまり、バーニッシュが炎上テロを起こした背景を知った時点でガロにとってリオは真の悪ではないのです。
リオが一見冷静沈着なようでその実近眼なのに対してガロは直情径行ながら大局を見据える冷静沈着さを持っています。
ここでの説得は即ちリオがここで終わって良いわけではなく、協力して共に真の悪を撃とうということなのでしょう。
そしてその説得通り、真の悪であるクレイは打ち解けた二人の前に真の悪として立ち塞がることになります。
リオもここで真の悪が何かに気づけたからこそ無意味な暴走を止めて本来の目的に向かえたのではないでしょうか。
宿敵になると厄介なガロとリオですが、一度打ち解け結託すれば最強のコンビとなり得るのです。
ガロの最後の後始末
真の悪であるクレイの残忍な計画に気づいたガロ、リオ、アイナは結託して無事に世界を救います。
全てのバーニッシュは元の人間に戻るのですが、ガロは仲間達と共に後始末へと向かうのです。
果たして最後の後始末とはこの場合何を意味するのでしょうか?
世界中の炎上の沈静
まず具体的にはリオの提案した「全て燃やし尽くす」作戦で世界中に広がった炎を消すことです。
あくまでもガロの職業は「火消し」にあり、自分達の責任で広めた火は自分達で消さないといけません。
これは同時にそれだけ高いプロ意識を持ったガロの志を示すものではないでしょうか。
自分達が出した火の粉の後始末は自分達で振り払う、それをやってのけてこその消防隊です。
バーニッシュへの差別と偏見をなくす
二つ目にこれは心の問題として、何かと炎上テロを起こしたバーニッシュへの差別と偏見をなくすことでしょう。
炎上とは何も現実の炎だけではなく、いわゆるネットなどでも問題になる口論や批判なども炎上と呼びます。
本作終盤で真相がはっきりするまでバーニッシュが悪とされていたのは何よりこの差別と偏見によるものです。
その背景を間近で見て知り、バーニッシュを味方につけたガロ達だからこそ出来ることが心の火消しになります。
ただ火を止めるだけではなく、人々にそういう教訓や姿勢をお手本として見せることも大事でしょう。
宇宙中の火消し
最終的にガロ達はデウス・エクス・マキナを使って次元の裂け目を防ぐという宇宙レベルの偉業を成し遂げています。
加えて自らを「宇宙一の火消しバカ」とまで称しており、兎に角火消しとあらばどこへでも行くのでしょう。
プロメアの居る次元も含めて世界にはまだまだ至る所にバーニッシュのような炎上が広がっているかもしれません。
それを救うことが出来る者が居るのならばそこへ飛び込んでいって助けたいと思うのは当然です。
つまりここでガロ達は「地球の火消し」から「宇宙の火消し」へと視野を広げて大きく成長したといえます。
彼らの火消しとしての真の戦いはここから始まるのではないでしょうか。
ガロを守り世界を焼いた炎の存在の真意
クレイとの最終決戦、ガロはクレイが繰り出した強力な炎でマトイデッカーごと焼かれ死にそうになります。
それを救ったのはリオが瀕死の重傷を負いながらもガロを包んで守り世界を焼いた炎でした。