孤独というとどうしても人生において悲しきこと・悪しきことのようにいわれがちです。

しかし、その孤独を悪ではなく常に自分の中にあるものとして受け止めた時強い覚悟が出来ます。

ただの諦めではなく、冷静に受け止めて歩んだ結果ベンジャミンが手にした答えなのです。

愛と孤独はベンジャミンの中で等しく永遠のものとして存在し続けていると推測されます。

ハチドリは何の象徴か?

世界の美しいハチドリ

劇中ではハチドリというちょっと変わった鳥が象徴的に画面に映し出されます。

わずか10秒でも羽ばたくのを辞めるだけで死んでしまう鳥で二回出てくるのです。

果たしてこのハチドリは本作において何を象徴しているのでしょうか?

“死”の象徴

象徴交換と死 (ちくま学芸文庫)

誤解を恐れずいえば、ハチドリは本作における“死”を象徴している鳥です。

チェルシー号の船長マイクが死んだ時と年老いたデイジーが命を失った時に出てきました。

これはベンジャミンにとって特に大切な人達の死後の世界が始まったことを意味しているのでしょう。

決して死んで終わりではなく、死んでからも尚魂となって羽ばたいていこうとしているのです。

本作における死が決して後ろ向きに見えないのはハチドリのおかげでしょう。

死後の世界も美しい

アメリカにおいてハチドリは“美しさや愛”の象徴ともいわれ、縁起の良い鳥だとされています。

これに上述した”死”を加えると死後の世界もまた美しいものであることを意味するのではないでしょうか。

これはどちらかといえば、人間の主観ではなく第三者の視点から俯瞰した見方であるといえます。

死後の世界がどのようなものであるか、それは生きている者には分からず死んだものにしか分かりません。

しかし、自分の人生を大切に生きることが出来れば死後の世界も美しいものとなるでしょう。

マイクもデイジーも、死という運命を受け入れ生きたからこそ死後ハチドリが表れ羽ばたいたのです。

∞=無限大

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そして三つ目がマイク船長もいっていたように∞=無限大という意味です。

幾分抽象的ですが、これは本作の物語が無限大に広がっていく人生の物語ということではないでしょうか。

ベンジャミンの人生も、そして彼を取り巻く人達の人生もその一つ一つの断片は繋がりがないものです。

しかし、ベンジャミンの数奇な人生と関わった人たちの人生は色んな形で受け手にも影響を与えます。

ややメタ構造の話となりますが、本作最大の目論見は人生の在り方や人の生き様を深く内省させることでしょう。

そうやって波及していった想いは色んな形で無限大のものとして広がり、繋がっていくのです。

そのような広く深い普遍性を持った物語へ広げてくれる役割をハチドリは果たしてくれています。

デイジーの恐れ

デイジーの母クイニーの元で愛され育てられたベンジャミンとデイジー、二人は何度もすれ違います。

ベンジャミンがそうであったように、デイジーもまた様々恐れを抱えていました。

果たしてその恐れとはどのようなものだったのでしょうか?

老いへの恐れ

老いてこそ生き甲斐 (幻冬舎単行本)

まず一つ目がベンジャミンとは反比例の形で年老いていくことへの恐れです。

愛する人が若返っていくのに自分はただ年老いていくだけ…それが耐えられなかったのでしょう。

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