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日本では1998年公開の映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。
監督は『マイ・プライベート・アイダホ』や『エレファント』などでも有名なガス・ヴァン・サントが担当しています。
脚本を、学生時代まだ無名だった主演のマット・デイモンが、親友ベン・アフレックと共同で執筆したという点にも注目。
若々しい彼らに生み出された物語には、リアルな葛藤や希望が見てとれるはずです。
ここでは、主人公ウィルを中心にしてストーリーを解説していきます。
ショーンに心を開いたその理由
まずは最重要となる、ロビン・ウィリアムズ演じるショーンとの関係について。
天才的頭脳で、他のカウンセラーをことごとくやり込めていたウィル。なぜショーンには心を開いたのでしょうか。
手痛い指摘と、意志の尊重
初回のひどいやり取りのあと、ショーンは研究室の外で言います。
君から学ぶことは何もない 本に書いてある
引用:グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち/配給会社: 松竹富士
ウィルの話は知識だけで全くリアルではないと。
これはウィルにとって手痛い図星だったはず。だからこそ、今までのようにすぐに反論もしません。
君自身の話なら喜んで聞こう
君って人間に興味があるから
でも君は嫌なんだろ?引用:グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち/配給会社: 松竹富士
そして彼自身に興味があると伝え、同時に、対話をするかどうかウィルに任せます。
これが、ウィルをただ学術的に解説しようとしていた他のカウンセラーとは大きく異なる点。
物語が進むにつれてわかることですが、ウィルは、自分の意志や人格を無視されることに反発していました。
このやり取りが、ウィルがショーンに心を開く大きなきっかけとなったのです。
打ち解けていくふたり
更に注目すべきは、一時間の沈黙で終わったカウンセリングの次の回。
ウィルから口を開いたという点に、自身から他者に働きかけたという大きな変化が見られます。
ジョークを流用しただけですが、これはその時点でウィルができる限界とも読み取れるでしょう。完全に心を開けたわけではありません。
それでも、ショーンはそれをしっかりと受け止め、お返しにとプライベートな話を開示。二人は笑い合います。
勇気をだして働きかければ答えてくれる人がいると、ウィルがリアルに学んだ瞬間ともいえるでしょう。
こうして、彼らは心を開いて交流を深めていくことに至っていくのです。
ショーンの内心 同じく痛みを抱える存在
ただ、これはウィルが心を開いた理由の考察にしかなっていません。
初回、激しく怒ったショーンも、他と同様に断れたはず。なぜカウンセリングを承諾したのでしょうか。
おそらく、ウィルがショーンの絵を見て指摘した話が、正論だったためと考えられます。