C4爆弾が爆破されるということで、崖の東側のエスケープゾーンに逃げ込むため、ロープで宙づりの二人。
なんとか、穴にたどり着いた瞬間ロープが切れ、ジェシーが崖下に落ちそうになりました。
ゲイブはその手を握ってジェシーを助けますが、このシーンはまさにサラの状況と似ているのです。
結局ジェシーの手を握ったまま引き上げ、二人は事なきを得ました。
このシーンが意味するのは、まさにサラの死を乗り越えたゲイブを映し出しているのです。
人は後悔した場面と似ている状況での行動によって、大きくその後の心情が変わりるでしょう。
サラと同じ状況になったジェシーを救えたことは、ゲイブにとって大きな課題を乗り越えた瞬間だったのです。
サラの手と手袋
ジェシーを助ける瞬間の映像は、サラを助けようとするシーンと酷似していました。
それがジェシーの手をゲイブが掴んでいるワンシーンです。以下の点が酷似しています。
- 交わる手:ゲイブとサラ、ゲイブとジェシーどちらも右手同士
- 手袋:サラもジェシーも手袋をしている
- 写す角度:助けられる女性の右手の手の甲を正面にした角度
この映像によって、ジェシーを救出するシーンでありながら、観衆にはサラの救出シーンが頭をよぎります。
結局ジェシーを助けられたことで、ゲイブは罪悪感を一つ乗り越えたことを意味していたのです。
山を知る者
現金武装強盗犯がなぜ目的を達成できなかったのか。
特に首謀者であるエリック・クウェイランは、元軍人であり産業スパイであるため、どんな犯罪でも成功させてしまうほどの人物です。
通常ならば一山岳救助隊が適わない相手のはずですが、今回の場合「山」というフィールドであったことが山岳救助隊員に味方しました。
殺される心配がない
ロッキー山脈の奥地という、経験や土地勘がないと出歩くことが困難な場所であることが、山岳救助隊員を味方します。
なぜなら、山岳救助隊員の案内がない限り、強盗犯は自由に歩き回ることができないからです。
しかも最初は、ゲイブとハルの二人がいたため、最悪片方は死んでも問題はないですが、強盗犯は二人を分離してしまいます。
結果的にハルだけが強盗犯と行動を共にしたため、強盗犯はどんなにハルが挑発的で、ゲイブを助けるようなことをしても殺せません。
つまり、強盗犯がハルの命運を手にしているようで、実はハルも強盗犯の命運を握っているのです。
ハルの功名
強盗犯の命運を握っているハルだからこそ、強盗犯の目的が達成するかどうかもハルが握っています。
その点において、ハルは目的阻止のためにさまざまな功名を立てていると言えるでしょう。
- わざと回り道をすることで時間稼ぎをする(強盗犯はそれに気付けない)
- 時間がかかることでフランクが異変に気付き、どこかに連絡をしてもらえる
- 尾根を歩くことで、ゲイブに発見されやすくする
ハルのこれらの功名のおかげで、山岳救助隊員は犯罪を阻止できたと言えるでしょう。
主人公ゲイブよりも、よっぽど功績を立てていると言っても過言ではありません。
土地勘がある
ロッキー山脈という巨大な山脈の特徴的な崖やポイントとなる場所には、山岳救助隊レベルでないと分からない場所名があります。
その点において、ハルがコーム崖に向かったはずなのに、ジェシーに無線で「タワー」と伝えたことなど、場所名を強盗犯は把握できません。
また目的地に対してどこから行くと近いのか、洞窟爆破に際しても、どこに逃げ場所があるのか、この点を熟知しています。