そのためダンは切り捨てる対象となったのだと考えられます。
アイラムが鏡を割った意味
父親を殺したアイラムは鏡の中のマリアと話そうとしますが、応答がありません。
そんな鏡を割り、夜の町を歩き出すアイラム。彼女が鏡を割った意味とは何だったのでしょうか。
湧き上がる孤独
アイラムの行動に口を挟んでくるマリアの存在をだんだん鬱陶しく感じていたはずです。
ですがやはり18年間一心同体だったマリアがいなくなってしまうと寂しかったのだと思われます。
アイラムは自分の思う通りにことが運ばないと機嫌を損ねるタイプですから、応答しないマリアに八つ当たりしたのではないでしょうか。
もしマリアの体を乗っ取るのが目的ならば、入れ替わった瞬間に鏡を割るはずです。
でもそうしなかったのは、マリアにそばにいて欲しかったからだと思われます。
寂しさを暴力でしか表せなかったアイラムの孤独が、この鏡を割るシーンに込められていたのかもしれません。
一人で生きていく覚悟
アイラムはマリア同様、自分を認めてくれる存在が欲しかったのだと思われます。
しかし鏡の向こうのマリアはもう味方をしてくれないし、一心同体であることを拒否。一人で生きていけと言われたようなものです。
それならばもう自分の力で生きてやるという覚悟を持って、鏡を割ったのかもしれません。
復讐の先にあるもの
憎むべき者たちを殺したアイラムは母親のベッドに入り、横になりました。
晴れて自由の身になったのですから失踪してもいいはずですが、やはり彼女は愛情を欲していたことが分かります。
しかし手に入れた幸せは長く続きません。きっとアイラムが起こした殺人事件によって、マリアは逮捕されるでしょう。
そして精神鑑定を受ければ、異常であることはすぐに判明するはずです。
母親も情緒不安定であることから、マリアは母親のもとに戻ることを許されないかもしれません。
そうなればアイラムとして殺人を犯してまで手に入れた母親との未来は、夢と消えるのです。
復讐のために殺人を犯す様子は因果応報のように見えます。