妻子もいて幸せそうな普通の家庭を築いてはいましたが、やはり煮え切らないものを感じていたのかもしれません。
自分の正しさを証明したいと思っていた彼は、誰かに認めてもらいたい、そして共有したいという願望があったのだと思われます。
そんな中、レックスの異常な探究心に目をつけ、彼ならば自分を理解してくれるかもしれないと期待したはずです。
語る相手は誰でもいいわけではなく、理解する素質がある人物を見極めていたのだと思われます。
どうせ殺すから
もしレイモンの話にレックスが怯えて逃げようとした場合、レックスは警察に通報するはずです。
それをされてしまうとレイモンも困ります。ですから、レックスが逃げようとした時は殺す準備が整っていたのでしょう。
誘拐・生き埋めのシミュレーションを念入りに行っていたレイモンですから、レックスに対しても色々なパターンを想定していたはずです。
レックスが話を理解できなくても、自分の身の安全は確保してあったのではないでしょうか。
なぜコーヒーを飲んだ?
飲んだら死ぬだろうと分かっていても、レックスはコーヒーを飲みました。なぜ彼はコーヒーを飲んでしまったのでしょうか。
知りたいという欲求
真実を知りたいという探究心に取り憑かれたレックス。
三年間も探し続けたのですから、捜索が彼の人生そのものになってしまったのかもしれません。
もしサスキア探しをやめたら、彼には何が残るでしょうか。
新しい恋人ができても捜索を続けていたのですから、彼を止められるのは死しかなかったように見えます。
真相を知らずに死ぬか、真相を知って死ぬか。コーヒーを差し出された時、レックスにはその二択しかなかったのではないでしょうか。
どうせ死ぬなら知りたいと思うのは当然かもしれません。
レイモンと同類
答えを手に入れるために、普通では考えられない行動に出る点では、レックスとレイモンは同類といえるでしょう。
恋人が失踪したら、その生死を一番知りたいと思うのが世間一般の考えだといえます。
ですがレックスは自分の探究心を優先しました。自分を納得させるためなら何でもするのです。
その先に死が待っていようと、レックスは自分の欲求に抵抗できなかったのだと思われます。
閉じ込められたレックスの叫びの意味
睡眠薬入りコーヒーで眠らされていたレックスが目を覚ますと、真っ暗闇でした。
ライターの火をつけるも、その明かりには限りがあります。
この時に上げた絶望的なレックスの叫びは、どのような意味があったのでしょうか。
死だけが待っている絶望
生き埋めにされたら、死しか待ち受けていません。その恐怖は体験したことのない私たちにも伝わってきます。
叫んでも誰も助けに来てくれないことくらいは分かっていたはずです。