出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07FNNLFFZ/?tag=cinema-notes-22

映画『女は二度決断する』は2017年に公開された、ネオナチ組織のテロを題材とした作品です。

監督はファティ・アキン、主演にはダイアン・クルーガーを据えて制作されました。

ネオナチの爆弾テロにトルコ移民の家族を失った女性・カティヤが復讐に身を窶す物語となっています。

移民問題や警察・メディアのあり方など社会派の側面が強い本作は完成度も高く、以下を受賞しました。

第70回カンヌ国際映画祭女優賞
第75回ゴールデングローブ賞外国語映画賞

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/女は二度決断する

修羅の連続をテーマとした本作ですが、本稿ではカティヤがラストに自爆を選んだ真意を考察していきます。

またホテル支配人が戻って来た理由や一度復讐を中止した理由なども併せて掘り下げていきましょう。

法で裁けない悪

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本作は復讐系の作品にありがちな“法で裁けない悪”を題材にしていますが、ポイントはそこにありません。

この映画で大事なことはあくまでも爆弾テロに不運にも巻き込まれた被害者側の感情です。

カティヤという女性は特別何かサイコパスのようなものを抱えていたわけではない、ごく普通の女性でした。

そんな彼女の人格や生活ですらもテロは一瞬にして奪っていき、無数の絶望を叩き付けます。

そして悪人を裁くべき法ですらも彼女を守ってくれず、逆に悪人扱いされてしまうのです。

正義を振りかざした者が馬鹿を見て、悪人だけが狡賢くのうのうと生き延びることが可能となった現代。

その極北まで行き着いたカティヤの本質を中心に見ていきましょう。

ラストに自爆を選んだ真意

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法で裁けない悪との戦いは最終的にカティヤの自爆という形で幕を閉じることになりました。

あれだけ復讐に駆られてはそれを辞めて、裁判で挑んでも鉄槌を下すことが出来なかったカティヤ。

彼女の真意は何だったのでしょうか?

復讐ではなく心中

薄ら氷心中

まず大前提として押さえておくべきことはこの自爆は復讐ではなく心中であるということです。

もし復讐であるならば自爆覚悟でメラー夫婦のキャンピングカーに乗り込まなくてもいいでしょう。

そこまでしたということはカティヤの感情が全て押し潰され臨界点に来ていたことを意味します。

つまり彼女の中でもはや「自殺」も「復讐」も「正義」も何ら価値を持たない動機なのです。

それ位極限状態に追い込まれ、血も涙も全てが枯れ果てて執着だけが残っていました。

思想なき戦い

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つまり、これらを突き詰めていけば本作が最終的に辿り着いた答えは「思想なき戦い」です。

テロリズムは普通何かしらの政治的思想や世に対する不平・不満が形となって起こります。

手段に問題があるだけで、テロリズムは元々「国をよくしたい」という想いから始まるのです。

しかし、それはテロリスト側の理屈であって平和に過ごしたい無実の人達には関係ありません。

そう、カティヤは立派な思想ではなくあくまでも個人的感情で戦っているだけなのです。

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