しかし、復讐を決意したのはその後に起きた身内の不幸のせいではないでしょうか。
彼にとって家族を失ったことは、シルバースターを失ったこと以上に大きなものだったはずです。
シルバースターを示した理由
サイコロの目で示したシルバースター、もちろんこれはハンターがウォルツによってはく奪されたシルバースターを彼に見せる為の演出です。
しかし更に考察していくと、最後まで自らの命を懸けて戦った自分へのシルバースターだったのかもしれません。
また復讐の為とはいえ、ケビン・ヨシノを真のスナイパーにする為に自らの命も差し出すという大胆さ…。
彼がもし、道を外さずにネイビーシールズに在籍していたらきっと誉れ高い軍人になっていたことでしょう。
「了解」がすべてを締めくくる
本作は最後の沖矢昴(赤井秀一) のセリフを聞かせるために制作されたといっても過言ではありません。
しかし原作を知らなければ、このセリフは全く意味のないものになるでしょう。
赤井秀一は行方不明だった
劇場版『名探偵コナン 異次元の狙撃手』を観る前に予備知識として頭に入れて置くべきことは、赤井秀一の行方となります。
彼は黒の組織の水無怜奈によって、頭を撃ち抜かれていたのです。
後に、これは演技だったことが判明するのですが…、映画公開の時点では伏せられていました。
観客は赤井は本当に死んでいるのか、もしかしたら生きているのではないか、と半信半疑で観る状態です。
アニメだから出来た演出
コナンファンにとって最後のセリフは、嬉しすぎる演出です。
了解。
引用:名探偵コナン 異次元の狙撃手/配給会社:東宝
最後は赤井秀一の声で、自らの正体を明かしてくれました。
公開前から「原作の少し先を行く」というキャッチフレーズを打ち立てていた本作ですが、このセリフによって確実に原作の先を行ったのです。
ファンの中には、このセリフだけで映画を十分楽しめたという意見も出たほど大きな意味を持つ演出でした。
難解な謎解きが魅力の作品
東都ベルツリータワーの狙撃事件からはじまった今回の謎解きは、人間関係が複雑で難解でした。
しかしネイビーシールズのリアリティ溢れるストーリーを盛り込むなど、大人から子供まで何度観ても楽しめる内容です。
そして、本作はもう一人の主人公ともいえる赤井秀一にフォーカスを当てて観直すと新たな楽しみ方が出来るのではないでしょうか。