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2012年公開の『名探偵コナン 11人目のストライカー』は、劇場版シリーズの16作品目となります。
本作品はJリーグとのコラボレーションでも話題となり、現役選手も登場し、大いに盛り上がりました。
テロという時代に沿った現実的な事件を取り上げていますが、犯人が秘めた動機やテロを起こす程の怒りはどこからくるものなのでしょう。
また犯人中岡はどうやって爆弾を仕掛けたのか…。
サッカーファンへ一押しのコナンシリーズを紐解いていきます。
テロを起こすほどの怒りの理由
奇怪な暗号解読や小五郎への逆恨みなど混み入った内容が魅力の本作ですが、テロという現代の闇をテーマに掲げています。
犯人がテロを起こすまでの強い動機とは一体何なのでしょうか。
そこには復讐という名の自己中心的な逆恨みが隠されていました。
バイク事故
自身のサッカー選手生命を断ち切ったバイク事故は、テロへ向けての序曲といえる出来事です。
中岡一雅は南米ブラジルで立ち直ったかに見えますが、一度壊れた心はそう簡単には元に戻ることはありません。
ほんの少しの衝撃で再び壊れてしまうものなのです。
おそらく中岡はこのバイク事故をしっかり受け止めていなかったのでしょう。
自分の中にある、絶望や憤りから目を背けサッカーを教えるということでごまかしていたといえます。
しかしこのバイク事故だけなら、テロを起こすまでの強い怒りにはなりません。
知史君の死が起爆剤となった
帰国後、サッカー教室に通う知史君に救われる形で自分を満たし、一度挫折したサッカーとの人生を取りもどすことが出来ました。
しかし知史君の死が、やっと取り繕っていた心の薄い壁を粉々に砕いてしまったのでしょう。
もし中岡がバイク事故のことをしっかりと受け止めていたなら、あるいは知史君の死を受けてもテロへ進んでいなかったのかもしれません。
コナンの言葉にすべての理由がある
中岡がテロを起こした理由は、絶望の繰り返しによるものでした。
まさに彼の弱さこそがテロの理由だったのです。
歪んだ人間性
テロ行為は特別な行動です。
しかし実は自分たちにとっても身近であり、普通の人間が簡単に陥ってしまう可能性がある、ということを本作の中で示唆しています。