しかし犯人はこれから人を殺そうとしている人間であり、アドレナリンが大量に出ていたのは間違いないでしょう。
通常の人間が困難に感じることも、交感神経が活発化することで簡単に出来たのかもしれません。
元サッカー選手であればスタジアムに入ることは出来たでしょうし、電光掲示板の裏は人目に付かない場所なので爆弾の設置は可能と考えられます。
ゴールへは人目につかないセンサーを取り付けているので、こちらも見つかることなく簡単につけることは出来たでしょう。
テロに隠された中岡の想い
10カ所のJリーグスタジアムで10人のエースストライカーへ難題を叩きつけた中岡…。
テロの裏に隠された思いはどんなものだったのでしょう。
Jリーガー選手への憧れ
自身もJリーガー選手だったわけですが、サッカーを愛するひとりとしてJリーガーへの憧れはずっと持っていたはずです。
深読みすれば、エースストライカーならば爆弾を止めることが出来る、止めて欲しいという思いがあったのかもしれません。
実際に爆弾は爆発することなく、止まっています。
本命は小五郎との自爆
ただの復讐なら小五郎だけを殺せばいいはずです。
しかし中岡はサッカーを愛しすぎており、だからこその「17時50分」だったのです。
いいかえれば憎い小五郎を巻き添えに、愛するサッカーと共に心中したかったのでしょう。
小五郎を苦しめたかった
簡単に小五郎を殺さなかったのは大きな苦しみを与えたかったから、とも解釈出来ます。
青い少年と青いシマウマ 上からの雨 下から人が左手でそのまま示すのは左の木
引用:名探偵コナン 11人目のストライカー/配給会社:東宝
上記のような難解な暗号を提示しているのは、おそらく小五郎には解けない暗号だと考えていたからでしょう。
小五郎の無力さを明白にし、彼のせいで多くの人が死んだという汚名を残したかったとも考えられます。
Jリーガーが本人役で登場
本作の見所といえば、やはりJリーガーたちが本人役で登場している点です。
2012年にJリーグは20周年を迎え、その記念プロジェクトのひとつとして名探偵コナンとのコラボレーションが実現しています。
三浦知良選手・遠藤保仁選手・樽崎正剛選手・中村憲剛選手・今野泰幸選手の5人がこの作品でコナンと初共演したのです。
そして、サッカーとコナンというリアル感を演出していました。
灰原が大ファンだという庇護選手は架空の選手ですが、少年探偵団が熱狂する様子などは子供たちの憧れを色濃く映し出しています。
殺人がないコナンシリーズ作品
『名探偵コナン 11人目のストライカー』は山本泰一郎氏と静野孔文氏のダブル監督で製作されました。
またコナンシリーズでは珍しく殺人が起きなかった作品でもあります。
そして、Jリーグとのコラボ作品は、子供たちの夢にテロという現代問題をプラスした奥の深い映画となりました。