すでに解放されているのにかかわらず、皆がそのまま出産の手伝いを行っていたのです。
特にコーラスグループの夫婦は自身の公演に向かわずに協力したことから、皆が一体感も理由のひとつといえるでしょう。
除霊師のおばあさんが書いたメッセージの意味
いじめを苦に引きこもりになった浦上晟周演じる野沢遥人は、除霊師が更新していたサイトに導かれるように行動していました。
スペースノイドについての記載、そしてそれが嘘であると書かれたメッセージにはどのような意味が込められていたのでしょうか?
今日が最後の日と考えれば現実は変えられる
その気になれば、たいていの現実は変えられる
引用:エイプリルフールズ/配給会社 東宝
夜まで宇宙人への交信を試みていた野沢遥人はこのメッセージを見て少し落胆するとともにどこか腑に落ちた顔をしていました。
それは宇宙へ帰る前にやり残したこととして行動し、逃げ出したいと思っていた現実を変えてしまったからではないでしょうか。
自分の部屋から出て、いじめをしていた同級生に打ち勝ち、初恋の人に告白もしました。
ネットの世界に逃避していた遥人に、「今日が最後の日」と考えれば現実世界も変えられるという想いが込められていたと考えられます。
除霊師の信者は世界各地にたくさんいる
除霊師はインチキ商法でぼったくりをしているとして警察へ連行されました。
その際、自分の信者は世界中にいるといったことを刑事へと伝えていましたが本当なのでしょうか?
これは、インターネットを通じて世界中へメッセージを送っているということを意味していると考えられます。
遥人と同じような心境の人たちも同じメッセージを受信し、現実世界を変えていくことでしょう。
作品を彩る個性豊かな俳優たちと制作陣
『エイプリルフールズ』にはたくさんの演技派、個性的な俳優たちが出演しています。
それぞれの物語にキャラが立っている登場人物が多く出てきますが、どのような背景や影響が考えられるでしょうか?
戸田恵梨香と松坂桃李が癖のある役柄を熱演
主演の戸田恵梨香はコミュニケーション障害を持ち、不安定な精神状態である主人公のあゆみを熱演しています。
『SPEC』や『LIAR GAME』シリーズにて極限の精神状態での駆け引きを演じた経験がここで活きているのではないでしょうか。
さらに、ナンパを繰り返していた牧野を演じた松坂桃李は『ツナグ』や『梅ちゃん先生』とはまた違った演技を見ることができます。
また、思春期であり義理の父との複雑な関係や距離感をうまく演じている浜辺美波の少し初々しい演技も必見です。
その後、彼女の名前を世に知らしめた『君の膵臓をたべたい』の2年前というのだから驚きですね。
リーガルハイの制作陣と俳優たち
本作の脚本を務めたのは『リーガルハイ』や『ALWAYS』シリーズの脚本を担当した古沢良太。
また、監督は『リーガルハイ』で演出を務めていた石川淳一という布陣での制作です。
コメディの要素がありつつも人情味あふれる物語が各所にちりばめられている本作に、大きな影響を与えていると考えられます。