劇中で、水泳部顧問の杉田とは対照的な人柄で描かれていた磯村ですが、本作のキーパーソンになる人物です。
彼は、いい加減な人物であり何かを秘めている人物でもあります。
合宿での連日の大掃除は、結果的に腕力がつきシンクロナイズドスイミングの練習となりました。
しかし、元を正せば彼らに都合よく働いてもらう為の指示だったのでしょう。
軽い気持ちが本気になった
磯村は当初、唯野高校の冴えない水泳部員たちに軽く教えてやろうか、という軽い気持ちだったのかもしれません。
しかし彼らのひたむきな姿を見るうちに、磯村の気持ちにも変化が現れたのでしょう。
磯村にも同じ思いがあった
磯村の過去に関しては深く描かれていませんが、もしかしたら彼ら5人と同じ思いを経験した人物なのかもしれません。
俺、このままじゃ情けなくて…。
引用:ウォーターボーイズ/配給会社:東宝
鈴木智のセリフに表情を変えている磯村は、自分を変えたいという思いを受け止めたとも解釈出来ます。
なかなか奥深い磯村というキャラクターですが、彼の指導は彼らに何を与えたのでしょうか。
磯村の指導が与えた大切なもの
常識では測れない磯村だからこそ、男子高校生のシンクロナイズドスイミングという 偉業を成しえたのかもしれません。
そんな彼の指導はどんなものを若者たちへ与えたのでしょう。
腕力とリズム感とメンタル
結果的にそうなったのではないか…とも思える指導方法ですが、水族館の大掃除は彼らの腕力を鍛えました。
またその後ゲームセンターに終日入り浸りさせたのも、彼らにリズム感をつけさせるためです。
更に、水族館やゲームセンターで多くの人の目にさらされれば人前で緊張しないメンタルを作ることが出来るでしょう。
どちらかというと、人の影にいた彼らを目立ちたがり屋にしたかったともいえます。
一生情けない男でいたいか、一生輝く男になるか、どっちか選べ!
引用:ウォーターボーイズ/配給会社:東宝
磯村のセリフは、観る者の心にも刺さるストレートな言葉です。
専門的な指導ではない
イルカの飼育員である磯村は、本来シンクロナイズドスイミングの指導者ではありません。
しかしそれが5人にはプラスに働いたといえるでしょう。
磯村の指導方法は専門的でない、わかりやすい指導方法だったのです。
コミカル要素の強い指導ですが、確実に成果を実感出来る優れた指導方法となりました。
連射されるコミカルな技
バンドウイルカ、ラッコ、イカ、フラミンゴ、オウムガイ!
引用:ウォーターボーイズ/配給会社:東宝
彼は理屈で動きを教えるのではなく、感覚やイメージで動きを伝えています。
更にそれらの動きを乱射するかのように命じることで動きに流れが出来るのです。
一見感情的に滅茶苦茶な要求をしているように見えますが、全てシンクロナイズドスイミングに欠かせない動作となっています。
磯村のタイミングを見計らったような指導で、5人は今やることに熱中する顔に変わっていったのでしょう。
パンツが物語る5人の成長
本作品の見所は何といっても、学園祭で観せた迫力あるシンクロナイズドスイミングです。