例え事故をないものにしても、妹の心を変えない限り彼女には未来で幸せが訪れないと判断したのでしょう。
事故をないものとせず、妹に彼と別れるように説得をするという選択をしたのは、兄としての強い優しさなのではないでしょうか。
自分の行いを認識させてこれからの人生に生かしていく、人生の先輩として妹を導く姿が印象的です。
この場面でも能力を使わず、自分たちの力で修正していくことが大切だと語っています。
人生の始まりから終わりまでを描いた作品
この映画はタイムトラベルを通して、この世に生まれるという事はどんなことなのか、 そして人生の最後とはどんなことなのかを語っています。
生れることは奇跡である
受精はほぼ奇跡的な現象だ。
引用:アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜/配給会社:ユニバーサル・ピクチャーズ
上記は劇中でポージーが消えてしまった際に、父親が言ったセリフです。
人が生まれてくるというのは、当たり前のようで実はとてつもなく大きな奇跡なのです。
実際に精子は1億分の1という熾烈な競争の中、妊娠に成功し子供は生まれてくるのです。
ティムの行動が生まれてくるはずだったポージーを消してしまったように、ほんの少しの選択が子供の存在を変えてしまうのでしょう。
生れて来たこと、産んでくれたことそして両親が出会ったことに感謝したくなる瞬間です。
死ぬことも奇跡の一部
人は何が原因で死ぬかはわかりません。
しかし本作を観ると自分が歩んできた過去が自分の死へと繋がっている、と感じます。
例え事故で最期を迎えることになっても、過去のどこかで行動が違っていたらもしかしたら助かっていたのかもしれません。
しかしこのメッセージは決して後ろ向きなものではなく、だからこそ目の前の一日を大切に生きようというものです。
冒頭に幸せのヒントがあった
映画の冒頭でティムは自分の家族のことを下記のように紹介しています。
昔から妙な家族だった。
引用:アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜/配給会社:ユニバーサル・ピクチャーズ
個性の強い家族像が伺えますがお互いを認め合い「愛」であふれる家族として紹介されています。
人生をどう生きて行けばいいのか、冒頭部分の家族の姿にその答えがあるのかもしれません。
タイムトラベルの新しい物語を描いた作品
『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』は、ひとりの青年を通して、愛を優しく 伝える作品です。
リチャード・カーティスは愛のガイドブックと称される「ラブ・アクチュアリー」なども手掛けており、優しい愛を描くことに長けた監督です。
本作では、SFと家族愛を織り交ぜた新しいジャンルを観せてくれました。
生き方に迷った時に何度でも観返したい映画ではないでしょうか。