プログラムと感情の暴走が一体化した結果デイヴィッドは最強の宇宙生命体の誕生を答えとして出します。
もはやここまで行くと創造主であるショウ博士の企図を完全に超えた殺戮兵器といってもいいでしょう。
この究極の善の象徴の筈が究極の悪へと変わる設定は『機動武闘伝Gガンダム』のデビルガンダムを彷彿とさせます。
デビルガンダムの場合はそれを食い止めるゴッドガンダムと仲間達が居て何とか食い止めることが出来ました。
ですが本作ではそのゴッドガンダムと仲間達に相当するウォルターと仲間達はデイヴィッドにやられていきます。
一見突然狂ったようでいて、極めて論理的に暴走の過程が物語として納得行くべく作られているのです。
デヴィッドのその後
そんなデイヴィッドに翻弄されながらもコヴェナントの船員達は何とか生き延びました。
それはロープ・オラム・フェイスハガー・テネシー等々の尊い犠牲という重い代償を払ってのことですが…。
惑星から離れた後姿が見えないデイヴィッドですがその後はどうなったのかを読み解いていきましょう。
コヴェナント号の乗っ取り
結論からいえばデイヴィッドはもう一人の自分であるウォルターになりすましてコヴェナント号を乗っ取ります。
即ちウォルターは殺されたことも暗示されており最終的にその暴走を誰も止められなかったのです。
そのことに気付いたのはダニエルズだけですが、彼はコールドスリープでそれを食い止めることは出来ません。
即ちこの段階でデイヴィッドは暴走と殺戮を繰り返して文字通りの破壊神となったのです。
ですが、これはまだ序章に過ぎずもっと酷い未来が推測されます。
数千の人間達の抹殺
まず目に見えているのがコヴェナント号に残っているダニエルズや乗員達数千の人間達の抹殺でしょう。
行き着くところまで行き着き宇宙最強の生命体を産み出したデイヴィッドならこの程度は朝飯前です。
横に小さなエイリアンを吐き出して胎児の横に並べてるラストカットがその暗示ではないでしょうか。
生まれてすぐの命ですら自らの目的と業の為に平然と利用しそのことを罪だと思ってすらいません。
ですが、そんなデイヴィッドがいつまでもこの姿でいられるのでしょうか?
いずれは殺される
ですがショウ博士がデイヴィッドに殺されたようにデイヴィッドもいつかエイリアンに食い殺されるでしょう。
前作と本作で一貫しているのは「強大すぎる力は身を滅ぼす元凶となる」という法則でした。
描写だけを見ていると何とも不気味なデイヴィッドですが彼も所詮は暴走した一アンドロイドに過ぎません。
その身分を弁えず出過ぎた真似をして強大すぎる力を持てば、それは自らの破滅へと繋がります。
よってデイヴィッドもいずれは殺される暗黒の未来が待ち受けているものだと窺えます。
コヴェナント号が受け取った信号の意味
本作の事件の発端はそもそもコヴェナント号が不時着した惑星で受け取った信号にありました。
そこに導かれるようにして行ったときにデイヴィッドの事件は起こったのです。
果たしてこの信号は一体何を意味していたのかを読み解いていきましょう。