出会いに関する伏線をロレーンが口にしたときに、ダンスパーティの日がひどい雷雨だったことが彼女の口から明かされます。
またその前にも、マーティとジェニファーがデートを楽しんでいる際、時計台を守るための活動家が時計台への落雷について記されたチラシを彼らに手渡しました。
このように数度出てくる時計台への落雷という情報が、後に1955年に燃料切れで未来へ帰れなくなってしまったマーティにとって救いの綱となる展開となっています。
タイムマシーンの燃料として使われるプルトニウムの箱とリビアの過激派がそのプルトニウムを盗んだというニュースも、一番はじめのシーンで映されていて、後のドク襲撃を暗示しています。
物語を彩る、小さな伏線たち
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で出てくる伏線は、大きくストーリに関わるものばかりではありません。
むしろ小さなネタをテンポよく配置することによって、この映画独特のエンターテインメント性を高めているといえるでしょう。代表的なものを挙げると、このようになります。
1985年前半
- 針に人がぶら下がった時計
- ドクが時計の針にぶら下がるラストシーンを暗示しています
- ドクの屋敷で火事が起こったことが新聞記事に
- ドクはこの後家を売ったため、住所が1955年と1985年とで異なっています
- ショッピングセンターの名前がTWIN PINE MALL(二本松のショッピングモール)
- ドクは、ピーボディという畑の主が昔、松の木を栽培していたと発言
1955年
- マーティが車でピーボディ家の松を一本倒してしまう
- 1985年後半にて、ショッピングセンターの名前はLONE PINE MALLと変わっています
- 持っていたヘッドホンとカセットプレーヤーを車の中に置いておく
- あとで若きジョージを説得するのに役立ちます
- レッド・トーマス市長
- 1985年にはホームレス担ってしまいました
- バイトをしているゴールデン・ウィルソン
- 1985年には市長になり、再選のかかる選挙を迎えていました
- まさか黒人が市長に、とからかわれていた彼が市長になるところには、強いメッセージ性が感じられます
- 檻(ベビーベッド)が好きなジョーイおじさん
- 後に本当に牢獄につながれてしまいます
1985年後半
- バンドの夢を諦めていないマーティ
- オーディション用のテープらしき封筒を手に抱えています
- 父ジョージが文壇で成功
- 実家は裕福になっており、ジョージの執筆した小説が配送されました
- ロレーンを救った彼の勇気が、他にも多くのものをもたらしたのかもしれません
セリフに散りばめられた伏線たち
セリフに潜むメッセージ
History is gonna change
引用:Back to The Futeure/Universal Studio
これはマクフライ家を教員から侮辱された際にマーティの発した言葉で、「未来は変わる」という意味です。
このときには「父が失敗したからと言って僕が失敗するとは限らない」というニュアンスだったのでしょうが、ストーリーの主題に関わる重要なセリフです。
あんな子を産んだら勘当だぞ
引用:Back to The Futeure/Universal Studio
ローレンの父が出ていくマティを見て放った言葉です。
あんな子どころかあの子を生むのです。その娘が。実際勘当されてなければよいのですが……。
そもそも「デロリアン」とは?
いまではこの映画を知っている人であれば、「デロリアン」と聞くとタイムマシーンを思い浮かべることでしょうが、そもそもこのデロリアンとは何なのでしょうか。
本来は車の名前ではなかった
デロリアンはもとは「デロリアン・モーター・カンパニー」というアメリカの自動車製造会社の名前で、車種の名前ではありませんでした。
このデロリアン社が唯一製造した車が「DMC-12」という車で、これが映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の中で「デロリアン」と呼ばれている車と同一の車種なのです。